「魚介類の栄養成分」とは?

日本人の食生活は欧米化しており、よりも肉を好む人が増えています。しかし、海外では魚中心の和食が健康的だといわれ、注目されています。魚にはどのような栄養成分が含まれているのでしょうか。

魚には「カルシウム」や機能性成分が豊富に含まれる

魚に含まれる栄養素といえば「カルシウム」や「DHA(ドコサヘキサエン酸)」が広く知られています。一般的に手に入りやすい魚にどのような栄養成分が含まれているのか、まとめてみました。

●マグロ
マグロに含まれる栄養成分といえばDHAが有名です。DHAは「不飽和脂肪酸」の一種で、悪玉コレステロールを減らして血液をさらさらにする働きがあります。また、脳細胞を活性化させるともいわれています。

また、DHAと同じ不飽和脂肪酸の「EPA(エイコサペンタエン酸)」も含まれています。EPAは脳血栓や心筋梗塞の予防に効果があるとされています。DHA、EPAはマグロの中でも脂の乗った「トロ」の部分に多く含まれています。

その他マグロの赤身には「タンパク質」や「セレン」が、血合いの部分には「タウリン」や「鉄分」が多く含まれています。タウリンには疲労回復や血圧上昇の抑制、セレンには抗酸化作用の働きがあります。

●ブリ
ブリはマグロと同じ「青魚」と呼ばれる魚で、その脂にはDHAやEPAが豊富に含まれています。DHAやEPAは酸化に弱いのですが、ブリには抗酸化作用のある「ビタミンE」も含まれており、弱点を補っています。その他にはタンパク質、ビタミンB群、ビタミンD、タウリンが多く含まれます。

ブリに含まれる栄養成分のうち、ビタミンB群は糖質、脂質の代謝を助け、ビタミンDはカルシウムが骨に吸収するのを助ける働きを持っています。

●サケ
サケは良質なタンパク質、DHA、EPAを豊富に含む魚です。その他、ビタミンB群、ビタミンDなども含んでいます。

また、サケの皮にはコラーゲンが豊富に含まれています。コラーゲンは美肌効果があるといわれています。しっかり焼いて、皮も残さず食べるようにしましょう。

●カツオ
カツオには豊富なタンパク質、ビタミンB12、鉄、タウリンなどが含まれています。特にビタミンB12の含有量は、魚の中でも最も多いとされています。ビタミンB12は鉄と共に赤血球の生成に役立つので、貧血予防になります。

秋に南下する「戻りガツオ」は脂が乗っておいしいですが、この脂肪分にはDHA、EPAが豊富に含まれています。

●イワシ
イワシは栄養が豊富な魚だといわれています。主な栄養成分は、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、鉄、カルシウム、セレン、リン、葉酸、DHA、EPAです。

ビタミンKは血液凝固因子を持つとされ、不足すると出血しやすく、出血したときは血が止まりにくくなります。

リンは骨や歯を作るのに必要なミネラルですが、筋肉、脳、心臓、神経など、体の重要な組織にも含まれています。また、糖質の代謝を助ける働きもあります。

葉酸は赤血球の生成に関係があり、正常な赤血球を作るのに必要な栄養成分です。その他、妊娠中の女性には二分脊椎発症のリスクを低下させるといわれています。

イワシは調理法によっては骨まで丸ごと食べられる魚です。日本人に不足しがちといわれるカルシウムが豊富で、吸収を助けるビタミンDも含まれています。カルシウムを取るのに優れた食品だといえるでしょう。

貝には「タウリン」が豊富

貝も古くから日本人に食べられている食品。貝類には悪玉コレステロールを減少させるタウリンが豊富に含まれます。主な貝類がタウリン以外にどのような栄養成分を含むかは、以下のようになります。

●アサリ
アサリには鉄、ビタミンB12が豊富に含まれています。このため、貧血予防として食べるのに適しています。また、カルシウム、亜鉛、クロムなども含まれます。亜鉛はとても重要なミネラルで、人体では新陳代謝、タンパク質の合成、アルコールの分解、免疫の活性化、毛髪の生成などの働きがあります。

●シジミ
タンパク質、ビタミンB12、鉄、カルシウム、メチオニン、シスチン、グリコーゲン、オクダテン酸などが豊富です。シジミに含まれる成分の多くは肝臓の働きを助けるもので、二日酔いのときにシジミのみそ汁を飲むと効果的などといわれます。

●カキ
カキは栄養が豊かで「海のミルク」とも呼ばれています。ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、カルシウム、鉄、銅、カリウム、ヨウ素、亜鉛などを含んでいます。

カキは積極的に取りたい食品ですが、生で食べると食中毒の危険があります。スーパーなどで商品に表示されている「生食用」「加熱用」の違いは、実はカキの鮮度を示しているのではありません。「生食用」として販売されているもの以外は加熱調理して食べるように気を付けましょう。

エビ、イカなど、その他の魚介類

いわゆる「シーフード」には、エビやイカなども含まれます。エビ、イカに含まれる栄養成分は以下のようになります。

●エビ
エビは良質のタンパク質を豊富に含む高タンパク低脂肪の食品です。その他にはビタミンA、ビタミンB群、ビタミンE、カルシウム、鉄、マグネシウム、リン、セレン、カリウム、亜鉛などを含みます。タンパク質以外ではビタミンEの含有量が比較的多く、抗酸化作用によるアンチエイジングの効果が期待できます。

●イカ
イカはエビと同じく高タンパク低脂肪の食品です。その他、含有量は多くないもののビタミンD以外のビタミンをバランス良く含んでいます。また、タウリンも豊富です。

今回ご紹介した魚の多くが不飽和脂肪酸のDHA、EPAを含んでいるほか、ビタミン、カルシウムなども豊富です。また、貝やエビ、イカにも重要な栄養素が豊富に含まれています。これを機に、普段の食事に栄養豊かな魚介類の割合を増やしてみてはいかがでしょうか。

(松田ステンレス@dcp)

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