2021年度の全国高等学校野球選手権大会、いわゆる「夏の甲子園」が8月10日に開幕しました。新型コロナの影響により昨年は開催されなかたっため、2019年以来2年ぶりの開催となります。今年も大阪桐蔭高校(大阪)や智辯学園高校(奈良)といった強豪校が数多く出場しており、どこが「真紅の大優勝旗」を持ち帰るのか分からない、白熱した戦いが繰り広げられています。さて、この夏の甲子園ですが、全国49都道府県のうち、どこが優勝校を輩出していて、どこがまだ優勝校が出ていないのかご存じでしょうか?
これまでに優勝校が出ている都道府県は?
夏の甲子園は、1915年の第1回大会(当時は全国中等学校優勝野球大会)が開かれました。そこから2019年の第101回大会までに全部で100回行われ(1941年の27回大会は日華事変激化に伴い中止)、全部で62の高校(中学校)が優勝しています。以下、輩出校の多い順に並べてみました。
●夏の甲子園優勝校
・兵庫県
報徳学園、関西学院、東洋大姫路、育英、甲陽学院、芦屋、神戸
・大阪府
大阪桐蔭、PL学園、大体大浪商業、履正社、明星、興国
・東京都
帝京、日大三高、早稲田実業、慶応義塾、桜美林
・神奈川県
横浜、東海大相模、法政ニ、桐蔭学園、湘南
・和歌山県
智弁和歌山、桐蔭、向陽、箕島
・愛媛県
松山商業、西条、松山東
・福岡県
小倉、西日本短大付、三池工業
・茨城県
常総学院、取手ニ高
・千葉県
習志野、銚子商業
・群馬県
桐生第一、前橋育英
・愛知県
中京大中京、旭丘
・京都府
龍谷大平安、鳥羽(当時は京都二中)
・広島県
広島商業、呉港
・高知県
明徳義塾、高知
・佐賀県
佐賀商業、佐賀北
・北海道
駒大苫小牧
・栃木県
作新学院
・埼玉県
花咲徳栄
・長野県
松商学園
・岐阜県
県岐阜商業
・静岡県
静岡
・三重県
四日市
・奈良県
天理
・山口県
柳井
・徳島県
池田
・香川県
高松商業
・大分県
津久見
・沖縄県
興南
最も多いのは兵庫県で7校。強豪が多い県ではありますが、東京都や大阪府、神奈川県よりも多いのは意外に感じた人も多いのではないでしょうか。一方、意外と少ないのが京都や広島、埼玉、奈良といった地域。有名な強豪校がひしめき合っていますが、優勝校は多くありません。
沖縄県は2010年に興南が沖縄県勢として初めて夏の甲子園で優勝しましたが、それ以外ではまだ優勝校は出ていない状況です。北海道も沖縄と同じく初優勝まで長かった地域。しかし、駒大苫小牧が2004年、2005年連覇と著しい活躍を見せていますが、それ以外の高校は頂点には届いていないようです。
19の県が夏の優勝校未輩出
一方で、以下の19県が夏の甲子園優勝校が未輩出です。
青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、山梨県、新潟県、富山県
石川県、福井県、滋賀県、鳥取県、島根県、岡山県、長崎県、熊本県、宮崎県、鹿児島県
特に未排出県が多いのが「東北地方」です。宮城県は仙台育英や東北、岩手県は花巻東、青森県は青森山田に八戸学院光星と、全国トップレベルの強豪校が多いエリアで、大谷翔平や菊池雄星、ダルビッシュ有といった日本を代表するスターを輩出しました。しかし、いまだに夏の甲子園優勝はなし。2018年の金足農業など、準優勝は9回とあと一歩にまでは迫っていますが、なかなか頂点にはたどり着かないようです。
また、東北と同じく強豪校の多い九州エリアも、長崎県、熊本県、宮崎県、鹿児島県と4県で優勝校が出ていません。いずれも甲子園常連の学校が多く、例えば宮崎県は日南学園や延岡学園、鹿児島県は鹿児島実業、樟南高校が有名です。熊本県も甲子園22回の熊本工業がありますが、いずれも優勝は未経験。「なぜこれだけ強豪校が多くそろっているのにまだ優勝がないのだろう」と不思議に思っている高校野球ファンも少なくないでしょう。
ちなみに、まだ決勝戦にさえも進出できていないのが岩手県、山形県、山梨県、富山県、福井県、島根県、長崎県の7県。当然ながらこれらの県の高校が弱いわけではなく、山梨県の山梨学院をはじめ、全国レベルの強豪は多数存在します。しかし、いまだに決勝戦には進めていないのです。優勝はおろか、決勝戦に進むのさえも簡単ではないということでしょう。
果たして優勝校未輩出県から真紅の大優勝旗を手にする高校は出てくるのか、注目の決勝戦は8月27日(予定)です。コロナ禍の難しい中で練習を重ね、夏の甲子園で戦う切符を手にした球児たちをぜひ応援しましょう。
(中田ボンベ@dcp)
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