「協力プレーのはずがバトルになるファミコンタイトル」とは?

ファミコン人気が高まるにつれ、2人同時に同じフィールドで遊ぶスタイルのゲームが登場し始めました。当時、スポーツゲーム以外で対戦プレーは一般的ではなく、協力してクリアするのが普通でした。しかし、協力するはずがつい相手を妨害し、いつの間にかどつき合いになってしまうようなタイトルもあったのです。今回はそのようなゲーム」について聞きました。

『マリオブラザーズ』

「『マリオブラザーズ』の殺し合いプレーは熱かった。自分は兄弟で遊んでいて、カニのステージまでは協力して、そこからバトルというのがいつもの流れ。カニやハエの動きが速くなるとスリルがあって面白かった」

「『マリオブラザーズ』でバトルする時は、先にパワー床を消してからというのがルールだった。下に下りてこようとする相手を叩いて妨害し、敵にぶつけるのが楽しかった。普通の協力プレーよりもバトルで遊んでいたなあ」

元祖『マリオブラザーズ』は、配管工のマリオ兄弟がカメ、カニ、ハエをひっくり返して蹴り飛ばすという内容のゲームです。本来はお互い協力し合うステージクリア型のゲームですが、相手が蹴ろうとする敵を起こしたり、相手を下から叩いて敵を避ける邪魔をしたりと、対戦ゲームとしか思えないようなギミックが仕込まれていたのです。当然のように、多くのプレーヤーが協力プレーを捨てて対戦に没頭していました。

『アイスクライマー』

「『アイスクライマー』は、協力と見せ掛けて相手を殺せた。基本的に上にいる方が有利だけど、下から足場を崩せるので油断できなかった。あまり対戦というイメージはないけど、自分たちは結構それで楽しんだ」

「つい間違えて、相手が乗っている足場を崩してしまったのが始まりだった。相手は次々と穴に落ちて死に、私は爆笑してしまいました。そこからはお互い協力せず、殺し合いゲームになりました」

『アイスクライマー』の2人ゲームは、協力して雪山を上っていくのが目的です。しかし、片方が最下段にいる時にもう片方が画面を先に進めてしまうと、取り残されてミスになってしまいます。その他にも、乗っている足場を崩したり、ジャンプのタイミングを狂わせるなどの嫌がらせも可能。バトルに発展してしまったプレーヤーも少なくありません。

『バルーンファイト』

「『バルーンファイト』はどう考えても対戦ゲーム。直接相手の風船を割って殺せるんだから、間違いないでしょ」

「『バルーンファイト』は協力プレーのつもりでも、ついミスで相手の邪魔をしたり殺してしまうことがある。最初からバトルのつもりで遊んだ方が楽しいと思った」

『バルーンファイト』は風船を持ってフィールドを飛び回り、敵の風船を割って落とすというゲーム。通常は協力してクリアを目指しますが、プレーヤーも敵も同じように当たり判定があり、風船を割ることができてしまいます。そのため、対戦ゲームと割り切って遊んでいた人もいました。

『ワープマン』

「マイナーかもしれないが『ワープマン』でバトルになった。敵に殺されるよりも、味方の爆弾で死ぬ方が悔しかった」

「『ワープマン』を友達とプレーしていた時、こっちが敵に追われて間合いを取ろうとしていたら友達に撃たれて動けなくなり、死んだ。『敵を撃とうとしたら当たった』と釈明されたが納得いかなかったので、次の迷路ステージで自爆特攻してやった。次の回からバトルプレーになりました」

『ワープマン』は、銃を使うステージと爆弾を仕掛けて戦うステージの2つがあるアクションゲームです。味方にも攻撃がヒットするので、ちょっとしたミスから殺し合いプレーになってしまうこともありましたね。

昔のゲームはステージクリア式のアクションゲームが多く、2人同時プレーは協力してクリアを目指すのが普通の遊び方でした。しかし、味方の攻撃に当たり判定があったりすると、味方同士で殴り合う遊び方ができてしまいます。昔の子供は買ってもらったゲームソフトを遊び倒すため、いろいろなプレースタイルを模索して楽しんでいたものです。

(松田ステンレス@dcp)

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