「アナフィラキシーショック」とは? 死に至る可能性もある「アレルギー反応」を甘く見ないこと

現代人にとって「アレルギー」は身近で大きな問題となっています。

毎年の花粉症、卵や小麦など食物についてのアレルギー、ペットを飼いたくてもアレルギーがあってできない、などなど人間の生活に大きな制約を与えます。

スギ花粉など、アレルギー反応を引き起こす原因物質が分かっているなら、極力それを避けなければなりません。急激なアレルギー反応が起こり生死に関わることもあるのです。

アレルギーには4タイプあります

アレルギー反応は、原因物質である抗原(これをアレルゲンと呼びます)が体内に侵入し、これを異物として排除しようとする人間の免疫システムが働くことで起こります。

アレルゲンは、最もよく知られている「スギ花粉」などの植物、「ニッケル」「コバルト」などの金属、食物では「」「小麦」「ピーナツ」など、実に多種多様です。

アレルギーはその種類、起こり方で以下の4つに分けられます。

●I型アレルギー
即時型アレルギー」「アナフィラキシー型」とも呼ばれます。
⇒アレルギー性鼻炎、気管支ぜんそく、じんましんなど

●II型アレルギー
細胞障害型」とも呼ばれます。
⇒自己免疫性溶血性貧血、紫斑病など

●III型アレルギー
免疫複合体型」とも呼ばれます。
関節リウマチ、血清病、全身性エリテマトーデスなど

●IV型アレルギー
遅発型」とも呼ばれます。
接触皮膚炎、移植片対宿主病など

このように、それぞれアレルギーの種類によって疾患も異なります。今回ご紹介するのは、上記の「I型アレルギー」に分類される「アナフィラキシーショック」です。

I型アレルギーはアレルギー反応がすぐに現れることが特徴で、花粉症は最もよく知られるI型アレルギーです。

難しい話になってしまうのですが、上記の4つのアレルギーでは「原因となる抗体」が違います。I型アレルギーでは「IgE」、II型・III型アレルギーでは「IgG」「IgM」、IV型アレルギーでは「抗体ではなくT細胞」が原因となります。

アナフィラキシーショックは急激なアレルギー反応

「アナフィラキシーショック」は、急激に起こるアレルギー反応です。血漿(けっしょう)成分が拡張した血管から漏れ出し、

呼吸困難
むくみ
じんましん

といった症状が一気に現れます(早い場合には1分以内)。

食品薬品などのアレルゲンとの接触が原因となりますが、有名な例では「ハチに刺された際のショック症状」もこのアナフィラキシーショックです。

急激なショック症状となり、呼吸困難から死に至ることもあります

そのため症状が現れたらすぐに医師の治療を受けなければなりません。治療が遅れると命に関わるのです。

アレルゲンを避けることが大事! 「エピペン」を携帯する!

アナフィラキシーショックを起こさないためには、とにかくアレルゲンとの接触を避けることです。

また重篤なアレルギーを持つ人は、ショック症状に見舞われたときのために「エピペン」を携帯しておくべきでしょう(上掲はマイラン製薬株式会の製品)。

エピペンはアナフィラキシーに対する緊急治療用の医薬品。成分はアドレナリンエピネフリン)で、

気管支を広げる
心筋収縮力を上昇させて心臓の動きを助ける

という働きをしますので、ショック症状からの回復に役立つのです。

アレルギーが明確にある子供に、アレルゲンを含む食物を無理に食べさせようとする人がいますが、これは絶対にいけません

たとえば祖母が、孫に「好き嫌いは良くない」などといって無理やり食べさせたりするケースです。お母さんの目を盗んで行われたりすると、悲劇的なことになる可能性があります。

「アナフィラキシーショック」による死亡者数は決して多いわけではありません。しかし、アレルギー反応を甘く見てはいけません。死に至らないまでも重篤な状態に陥ることがあります。

もし、あなたやあなたの身の回りにアレルギーがある人がいるなら、アレルゲンとの接触を避けるように気を配りましょう。また、万が一の時に、対処法についても知識として知っておくべきです。

(高橋モータース@dcp)

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