1980年に記念すべき第1作が公開された『13日の金曜日』はホラー映画(スラッシャームービー)の中でも特に人気の作品です。
人気作となったために続編が次々と制作され、現在までに11作(※1)が公開されました。
映画を見たことがなくても、ホッケーマスクをかぶった不気味な殺人鬼・ジェイソンの名前を知っている人は多いのではないでしょうか。
当然のように各作品では次々と人が殺されていきますが、ジェイソンは全11作でいったい何人をどのタイミングで殺したのでしょうか? 今回は 『13日の金曜日』シリーズを徹底検証してみました。
(注意)以下の記事は多くのネタバレを含みます。未見の人はご注意ください。
『13日の金曜日』シリーズは全11作! 「フレディー」と対決した番外編を入れると12作
『13日の金曜日』は1980年に第1作が公開され大ヒットしました。予算はわずか55万ドルだったにもかかわらず、全世界で約6,000万ドルもの興行収入を上げたのです。「コレはもうかるじゃん!」と気付いた映画会社は次々と続編を作ります。
以下は現在(2020年08月05日)までに製作・公開されたシリーズ全11作のリリース年とタイトル一覧です。
第1作の1980年から1989年までは毎年『13日の金曜日』が公開され続けました。いかにもうかるシリーズだったかが分かります。
多くの観客を楽しませたことで、本シリーズに登場する「ジェイソン(本名ジェイソン・ボーヒーズ:Jason Voorhees)」は一躍有名となり、今ではジェイソンはすっかりポップアイコンと化しています。
●1980年『13日の金曜日』
原題『FRIDAY THE 13TH』
●1981年『13日の金曜日 PART2』
原題『FRIDAY THE 13TH PART II』
●1982年『13日の金曜日 PART3』
原題『FRIDAY THE 13TH PART III』
●1984年『13日の金曜日 完結編』
原題『FRIDAY THE 13TH – THE FINAL CHAPTER』
●1985年『新・13日の金曜日』
原題『FRIDAY THE 13TH PART V: A NEW BEGINNING』
●1986年『13日の金曜日 PART6 ジェイソンは生きていた!』
原題『JASON LIVES: FRIDAY THE 13TH PART VI』
●1988年『13日の金曜日 PART7 新しい恐怖』
原題『FRIDAY THE 13TH PART VII: THE NEW BLOOD』
●1989年『13日の金曜日 PART8 ジェイソンN.Y.へ』
原題『FRIDAY THE 13TH PART VIII: JASON TAKES MANHATTAN』
●1993年『13日の金曜日 ジェイソンの命日』
原題『JASON GOES TO HELL: THE FINAL FRIDAY』
●2002年『ジェイソンX 13日の金曜日』
原題『JASON X』
●2009年『13日の金曜日』 本作はリブート作品
原題『Friday the 13th』
※1『エルム街の悪夢』に登場する「フレディー」と共演した番外編ともいうべき『フレディーvsジェイソン』(原題『Freddy vs. Jason』2003年)は除きました。また2017年に公開予定だった『13日の金曜日』シリーズの新作は惜しくも制作中止になっています。
殺人鬼ジェイソンはどうやって誕生した?
全く知らない人のためにジェイソンについて簡単にご紹介しましょう。ジェイソンはアメリカの「クリスタルレイク(湖)」に出没する殺人鬼です。そもそもは、
ジェイソン・ボーヒーズという少年がこの湖で溺れて死んだ
という事件が発端になり、彼を溺愛していた母親(パメラ・ボーヒーズ)がその恨みで湖の監視員を次々に殺すという話でした。これが第1作目の『13日の金曜日』です。監視員の訓練に来ていた一行の中で最後に生き残ったアリスが、この殺人ママを殺して第1作は終わります。
ところが、母親を殺された恨みを晴らすために、クリスタルレイクにやって来る監視員候補生の一行を次々に殺す「ジェイソン」が登場します。「えっ! 溺れて死んだという話じゃなかったの?」と誰もが思うのですが、「死んでなかったんだ。あとは聞くな」とばかりに大量殺人を犯すのです。これが第2作『13日の金曜日 PART2』です。
シリーズが進むに従って、クリスタルレイクにやって来るキャンパーなど特に監視員でなくてもジェイソンの手にかかって次々と殺される、というお話になっていきます。
クリスタルレイク周辺でなくても連続殺人を行う作品も作られました。なにせ第10作『ジェイソンX 13日の金曜日』では、2455年の未来、しかも宇宙船の中ででも人殺しを続けるのです。
ジェイソンが一人も殺していない作品がある!
連続殺人鬼ジェイソンは各作で大量殺人を犯しているように思えますが、実はジェイソンが一人も殺していない作品があります。それは、
第1作『13日の金曜日』
第5作『新・13日の金曜日』
です。第1作にはそもそもジェイソン自身は登場しません※2。「昔クリスタルレイクで溺死した少年」という過去の出来事が語られるだけなのです。
また『新・13日の金曜日』では、開巻すぐに2人の人間が殺されますが(後述)、これはトミーという少年が見た悪夢の中でのこと※3。
第5作である本作の中でも次々と人が殺されますが、それは本物のジェイソンが行ったものではありませんでした。ですから、第5作でもやはりジェイソンは人を殺していないと考えられるのです。ジェイソンも「僕はやってないよ」と言うでしょう。
また、問題作といわれる第9作『13日の金曜日 ジェイソンの命日』は、ジェイソンがFBIの集中射撃を受けて死ぬところから始まります。
本作では、ジェイソンとは「邪悪な精神の存在」であって、それがジェイソンの肉塊(心臓)に宿っているという設定です。「ジェイソンの魂が宿る肉塊」を飲み込むことによって、普通の人が次々とジェイソン化し殺人を犯すのです。
オリジナルのジェイソンは最初に死んでいますので、この作品でも「実はジェイソンは殺人を犯していない」と考えることが可能です。
※2 ジェイソンのイメージは作中に登場します。
※3 ただし、実際にあったことを夢で見たという解釈も成立します。
ジェイソンがシリーズ全11作で殺した人数は?
では、シリーズ11作でいったいジェイソンは何人殺したでしょうか?
筆者(バカ)のカウントが正しければ全部で「142人」殺しています。各作で殺された人を挙げてみましょう。「0:11:40」などは開巻からのタイムカウントで「時:分:秒」で、その人が殺されたシーンの時間を記載しています。
※全作DVDで確認していますが、再生環境などでタイムカウントがずれることがあるのをご寛恕ください。
●『13日の金曜日』……0人
●『13日の金曜日 PART2』……10人
・0:11:40:アリス
・0:31:43:ラルフ
・0:42:42:ウィンスロー(保安官補佐)
・0:50:33:スコット
・0:51:21:テリー
・1:00:01:マーク
・1:02:40:サンドラ
・1:02:40:ジェフ
・1:05:28:ヴィッキー
・ポール※4
※4 この「ポール」がどうなったかはシリーズ最大の謎といっても過言ではありません。
ジェイソンに殺されていると思われるのですが、その殺害の描写は作中にありません。本作のラストでジニー(本作の生存者)が「ポールは?」と保安官に聞きますが、保安官は答えません。本作では結局行方不明のままで、それは次作『13日の金曜日 PART3』でも同じです。ジェイソンの殺害数はポールを除くと「9人」になります。
●『13日の金曜日 PART3』……12人
・0:15:22:ハロルド
・0:16:17:エドナ
・0:41:51:フォックス
・0:42:09:ロコ
・1:00:25:ヴェラ
・1:02:56:アンディー
・1:05:14:デビー
・1:08:05:シェリー
・1:08:26:ミッチ
・1:09:24:チリ
・1:12:14:リック
・1:26:29:アリ
●『13日の金曜日 完結編』……13人
・0:13:30:アクセル(医師)
・0:14:29:モーガン(女性看護士)
・0:19:58:ヒッチハイカー
・0:43:37:サマンス
・0:47:36:ポール
・0:51:48:テリー
・0:55:07:ジャービス夫人
・1:01:02:ジミー
・1:01:59:ティナ
・1:05:26:テッド
・1:08:00:ダグ
・1:09:01:サラ
・1:15:18:ロブ
●『新・13日の金曜日』……2人
・0:03:39:二人組の墓荒らし その1 ※5
・0:03:43:二人組の墓荒らし その2 ※5
※5 上述のとおり、トミー・ジャービスが見た悪夢の中でジェイソンが殺した2人。一応「ジェイソンが殺した」としてカウントしました。
●『13日の金曜日 PART6 ジェイソンは生きていた!』……18人
・0:08:13:アレン
・0:14:24:ダレン
・0:15:16:リザベス
・0:22:23:バート
・0:24:21:ケイティー
・0:24:21:スタン
・0:24:21:ラリー
・0:24:59:ロイ
・0:31:13:マーティン
・0:31:58:スティーブン
・0:31:58:アニータ
・0:40:15:ニッキー
・0:40:56:コート
・0:48:37:シシー
・0:59:20:ポーラ
・1:06:13:ソーントン
・1:08:00:パペス
・1:14:01:マイク
●『13日の金曜日 PART7 新しい恐怖』……15人
・0:18:47:ジェーン
・0:20:47:マイケル
・0:26:56:ダン
・0:28:02:ジュディ
・0:37:18:ラッセル
・0:37:48:サンドラ
・0:49:40:マディー
・0:52:46:ベン
・0:53:18:ケイト
・0:57:31:デビッド
・1:00:45:エディー
・1:04:43:ロビン
・1:07:01:アマンダ
・1:11:05:ドクター・クルーズ
・1:16:58:メリッサ
●『13日の金曜日 PART8 ジェイソンN.Y.へ』……17人
・0:09:52:ジミー
・0:11:36:スージー
・0:22:32:JJ(JJ ジャレット)
・0:30:02:ボクサー(ジュリアスとボクシングで対決していて負けた生徒)
・0:39:03:タマラ
・0:40:25:ジム
・0:40:53:ロバートソン提督
・0:48:23:エバ
・0:51:37:ウェイン
・0:54:34:マイルズ
・0:59:47:甲板員(水夫)
・1:08:41:強盗二人組その1
・1:09:34:強盗二人組その2
・1:12:42:ジュリアス
・1:14:55:警察官
・1:21:14:マカラロック先生
・1:31:08:技師(逃げ込んだ下水道で会う)
●『13日の金曜日 ジェイソンの命日』……20人
・0:17:25:フィルのアシスタント検視官(脚本家のDean Loreyが演じている)
・0:17:15:警備員その1
・0:17:15:警備員その2
・0:30:02:アレクシス
・0:33:39:デボラ
・0:33:48:ルーク
・0:36:33:エドナ
・0:37:58:フィル(検視官)
・0:40:58:ダイアナ
・1:00:20:ジョシュ
・1:07:51:ライアン(女性警官)
・1:08:53:マーク(警官)
・1:08:53:ブライアン(警官)
・1:10:56:ワード
・1:11:17:食堂の常連客その1
・1:12:10:シェルビー
・1:12:19:ジョイB(Joey B)
・1:12:56:ヴィッキー
・1:17:45:ロバート
・1:21:44:クレイトン
●『ジェイソンX 13日の金曜日』……22人
・0:16:22:名前不詳の施設職員
・0:06:23:軍の兵士その1
・0:06:24:軍の兵士その2
・0:06:34:軍の兵士その3
・0:06:36:軍の兵士その4
・0:06:38:ウィマー博士(Dr. Wimmer:ホラー映画の監督として有名なデビッド・クローネンバーグが演じている)
・0:07:05:マーカス軍曹
・0:30:52:アドリーン
・0:35:17:ストーニー
・0:38:50:アザエル
・0:39:00:ダラス
・0:44:27:スヴェン
・0:45:09:コンドー
・0:48:04:ゲコ
・0:48:48:キッカー
・0:49:10:ブリッグス
・0:51:50:ルー
・0:53:21:ペレゾ
・0:57:12:ロウ教授
・1:03:45:クラッチ
・1:17:38:ジャネッサ
・1:26:47:ブロドスキ軍曹
●『13日の金曜日』……13人
・0:11:59:ウェイド
・0:19:13:アマンダ
・0:21:42:マイク
・0:22:58:リッチー
・0:41:58:工場の男・ドニー
・0:45:49:ノーラン
・0:47:48:チェルシー
・1:05:09:チーウィー
・1:11:00:ロレンス
・1:13:16:ブリー
・1:14:39:ブラッキ
・1:17:58:トレント
・1:23:11:ジェンナ
というわけで、筆者(バカ)のカウントが正しければ、ジェイソンがシリーズ11作で殺した人数は合計「142人」となります。ただし……。
ここまでくると大量虐殺!? 客船、宇宙ステーションがジェイソンのせいで大爆発!
ただし、ジェイソンのせいで死んでいる(はず)の人はもっと多くなります。というのは、さらに大量の人が死んでいると推測できる作品があるからです。
『13日の金曜日 PART8 ジェイソンN.Y.へ』では、高校の生徒たちが卒業旅行でニューヨークへ船旅に出掛けるのですが、この客船がジェイソンのせいで沈んでしまうのです。
救命艇に乗って脱出できたのは、レニー、ショーン、ジュリアス、マカラロック先生、バン・デューゼン先生、イヌのトビーの「5人+ワンコ」だけ。客船に残された人々は全員死亡したと考えられるのです(客船は大爆発を起こしている)。
また、2455年が舞台の『ジェイソンX 13日の金曜日』では、ジェイソンが大暴れしたせいで宇宙船がソラリス・ステーション(一種のスペース・コロニーのようなものと推測される)に速度超過で突っ込みます。
宇宙船は左舷を失うだけで済んだのですが、ソラリス・ステーションは大爆発を起こして消滅。上記でカウントしたペレゾのみならず、数千あるいは数万の人が死亡したと考えられます。
ここまでくるとまさに大量虐殺と呼ばれるレベルです。ジェイソンが直接手を下したわけではありませんが「ジェイソンのせい」なのは確かです。
ジェイソンのメインウェポンは「マチェーテ」! 「チェーンソー」を使ったことは一度もない
では、ジェイソンはどんな道具を使って殺人を行ったのでしょうか?
筆者(バカ)のカウントによれば142人は以下のような道具で殺されています。
ただし、「画面が暗い」「凶器が映る時間が短すぎる」「凶器の一部しか映らない」「そもそも殺害の直接描写がない」などのため、何を使ったのか明確には判断できないものがあります。
各作の台本(script)などにも当たり、できるだけ確認していますが一部どうしても分からない凶器があります。そのため、このリストには推測が入っていることをご了承ください。
●ジェイソンが殺人に使った道具
・マチェーテ:23回
・マチェーテに似た大きな外科医用のノコ:4回
・包丁:4回
・水中銃(speargun):4回
・斧(おの):4回
・槍(やり):3回
・ナイフ(狩猟用など):3回
・アイスピック:2回
・メス:2回(外科用のメス(scalpel)1回を含む)
・ピッチフォーク:2回
・長い鉄の杭(くい):2回
・テント用の杭(tent spike):2回
・金属製の尖った杭のようなもの(a sharp metal spiked fence post):2回
・金属製の輪縄(noose pole):2回
・火かき棒:2回
・BBQの鉄串:1回
・アーチェリー:1回
・エレキギター:1回
・クルマのドア:1回
・コルク抜き(corkscrew)からの肉切り用の大型包丁(meat cleaver):1回
・サウナ風呂に置いてある石:1回
・ドライバー:1回
・スチール棒(包丁に付いた脂を落とす道具):1回
・ナタ:1回
・パーティーグッズのラッパ(party horn):1回
・もり(捕鯨用?):1回
・モンキーレンチ:1回
・ロッカー:1回
・液体窒素:1回
・鉛筆:1回
・解剖用のプローブ(a long autopsy dissection probe):1回
・外科医用の弓ノコ(surgical hacksaw):1回
・鏡の破片:1回
・曲がった鎌(curved scythe):1回
・金づち:1回
・鎖:1回
・採掘機器用の巨大なドリルの刃:1回
・鹿の角で作られたフック:1回
・芝刈り機:1回
・酒瓶を割ったもの:1回
・注射器:1回
・調理器具(フライヤーとグリル):1回
・長い枝切り用の刃物(a long-handled, bladed pruning saw):1回
・碇(いかり)のような巨大なフック(に串刺しにした):1回
・投げ矢(dart):1回
・廃液(?)のたまったドラム缶:1回
・編み棒:1回
・無線通信用アンテナ(に串刺しにした):1回
・有刺鉄線:1回
⇒不明:8件
このような多種多様な凶器を用いているジェイソンですが、実は凶器を用いず、拳、両手、膝と自らの肉体だけで殺している回数も多いのです。142人のうち、
素手:28回
となっています。なにせ、拳を腹にめり込ませ背中から飛び出させる、パンチ一発で高校生の首を飛ばすといった力を持っていますので、何も得物を持っていないジェイソンでも決して侮れません。
以下は凶器の説明が難しいものです。
・感電死(配電盤に放り投げられるなど/感電からの炎上含む):3回
・ジェイソンに放り投げられて墜落死:2回
・ジェイソンが宇宙船に開けた穴のせいで宇宙空間に吸い出される:1回
・宇宙貨物船グレンデル号※6:1回
・大気圏の摩擦熱:1回※7
・ジェイソンの邪悪な精神※8:3回
というわけですので、ジェイソンは「マチェーテ」を最も多く使用しています。ジェイソンといえば「ホッケーマスクをかぶり右手にマチェーテを持った姿」が定番とされますが、この使用回数がそれを証明していますね。
ジェイソンはマチェーテに大変愛着があるらしく、『ジェイソンX 13日の金曜日』にメディカルラボで得物を選ぶシーンがあるのですが、凶悪な見た目の外科医用の器具が並ぶ中、ジェイソンは最もマチェーテに形が近い「外科医用のノコ」を手に取っています。
本作中では自分のマチェーテを取り戻すまでこの「ノコ」を使って4人を殺しますが、自分のマチェーテを手にしたジェイソンはそれまで使っていたノコを惜しげもなく台に置きます。
ジェイソンのマチェーテへの愛着が感じられ、本シリーズのファンならニヤリとするシーンでしょう。
※6 操縦していたルーを殺害したためグレンデル号がソラリス・ステーションに突っ込みます。ステーションにいたペレゾはこのために死亡(他に死者多数と思われる)。
※7 ボドロスキ軍曹がジェイソンに抱きついて惑星の大気圏に突入。二人は相打ちになるのですが、一応ボドロスキ軍曹を殺した凶器として挙げました。
※8 全て第9作『13日の金曜日 ジェイソンの命日』。ジェイソンの魂が宿った肉塊が口移しで渡されると、元の宿主の体はどろどろと溶けてしまうという設定です。
ジェイソンは「チェーンソー」を使ったことは一度もない! 逆に使われたことがある!
ジェイソンの得物を「チェーンソー」と誤解している人がいらっしゃいますが、これは『悪魔のいけにえ』に登場する「レザーフェイス」と混同したものでしょう。
レザーフェイスもジェイソンと同じくホラー映画を代表する「怪物」で、人の皮で作ったマスクをかぶりチェーンソーを使って人を追いかけ回します。
↑『悪魔のいけにえ』もホラー映画の古典的傑作とされています。本作にはチェーンソーを振り回す「レザーフェイス」が登場します。
上記のとおり、ジェイソンはチェーンソーを使ったことは一度もありません。
逆に「ジェイソン」がチェーンソーで襲われるシーンを見ることができる作品があります。
それは第5作『新・13日の金曜日』。
映画終盤のクライマックスでは、ホッケーマスクを付けマチェーテを提げた殺人鬼に金髪美人パムがチェーンソーで逆襲するのです。ここではチェーンソーとマチェーテのチャンバラになります。
また、「おっ! ついにジェイソンもチェーンソーを使うのか?」とファンに期待させた作品もあります。
それは第7作『13日の金曜日 PART7 新しい恐怖』でのこと。
エンジンのうなりと刃が回転する音が聞こえてくるのですが、ジェイソンが持っていたのは「丸いのこぎり刃」が回転する長い柄の芝刈り機でした。
ジェイソンが不死身になったのは第6作目から!
不死身の連続殺人鬼というイメージが定着していますが、実はジェイソンが不死身になったのは『13日の金曜日PART6 ジェイソンは生きていた!』からのこと。
この作品は、前々作で死んだジェイソンの遺体を確認するシーンで始まります。
遺体を確認するのは『13日の金曜日 完結編』のラストでジェイソンを殺すことに成功したトミー・ジャービス。
少年時代にジェイソンの殺戮を目撃したトミーは、心にトラウマを負い精神科を転々とする青年になっていました。ジェイソンの遺体と対決し、死を確認し乗り越えようとしたのでした。
しかし、ジェイソンの遺体に鉄の杭(くい:墓地の鉄柵の一部)を刺したところに雷が落ちます。 この電気ショックがどのように作用したのか、ジェイソンがよみがえってしまうのです。
遺体はうじ虫がたかるほど腐乱していたので、よみがえったといってもゾンビ状態です。
この復活からジェイソンには「不死身」という属性がつくようになります。実際、この6作目「ジェイソンは生きていた!」内では、拳銃で撃たれても、保安官からショットガンで銃撃されても全くひるみません。
また、本作のラストでジェイソンは湖に沈められますが「目がギロリと見開かれる」シーンで終わります。
まだ生きている!ことを示していますから、不死身のジェイソンは『13日の金曜日PART6 ジェイソンは生きていた!』から始まったと考えていいでしょう。
『13日の金曜日』でジェイソンが殺害した全員のタイムカウントと人数、そして殺害に使用した凶器を検証しましたが、いかがでしたか?
シリーズ全11作でジェイソンが殺したのは142人となりました。
人気シリーズですので、この先も作品が作り続けられる限り「死体の数」は増えていくでしょう。もし死体になりたくなければ、どんなに魅力的に思えても「クリスタルレイク」にだけは行ってはいけません。
そこには恐ろしい殺人鬼がいるのですから。
(高橋モータース@dcp)
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