20歳未満の人は「何のこっちゃ」と思うでしょうが、かつて「2000年問題」(Y2K問題)という危機(?)が全世界的に注目されました。
これは、古いコンピュータープログラムの中には西暦の年代を格納するケタが足りないことがあり、そのためコンピューターが誤動作を起こすかもしれない、というものでした。
一部では「この世の終わりがくる」的な大騒ぎでしたが、結果は「大山鳴動して鼠一匹」。大したことは何も起こりませんした。今回は、ある年齢以上の世代なら懐かしい、かつての「2000年問題」について聞きました。
「ノストラダムスの大予言」はこの「2000年問題」を指していたのだ!
「1999年にやって来る恐怖の大王は、この2000年問題のことだという話があった」
「1年ずれたが2000年問題で世界中のコンピュータが狂って、文明は崩壊する。ノストラダムスの予言は当たったという説がありました」
五島勉先生の『ノストラダムスの大予言』に書かれた「1999年第7の月、恐怖の大王がやって来る……」という4行詩が有名になりましたからね。2000年問題でコンピューターがおかしくなって……というウワサには一定のリアリティーがあったのかもしれません。
銀行のコンピューターがおかしくなって預金がゼロになる!
「2000年の1月1日になった時点で銀行のコンピューターがおかしくなるというウワサがありました。預金がゼロになるとか」
「うちの母は、銀行のコンピューターがおかしくなっても大丈夫なようにと、年末近くにATMで記帳していました」
銀行のコンピューターがおかしくなって、預金者のデータが消える、あるいは改竄されるといったウワサがありました。異変が起こった後でも「いくらあったのか」の証拠になるよう、「しっかり記帳しておきましょう」といわれたものです。
飛行機が落ちる! 交通機関がまひする!
「コンピューターがおかしくなって飛行機が落ちるという話を聞きました。2000年になるるその時間に飛行機に乗っていてはいけない、という話もあった」
「交通機関がまひするというウワサがありました。2000年になるときには外出を控えるべき、と忠告されました」
旅行の予約システム用のコンピューターがおかしくなるので、交通機関がまひするという話がありました。また「飛行機が落ちるのでは?」というウワサも確かにありました。「2000年になるときに飛行機に乗っていてはいけない」なんて真顔で言う人がいたのです。
プログラマーは全てを知っている!
「プログラマーは何もかも知っていて、もう諦めているという話がありました」
プログラマーは「2000年問題」対策のため大わらわでした。特に金融機関などでは、万が一にも事故があってはならないため、対策チームは昔のソースコードを必死にチェックしました。「プログラマーが全てを知っている」というのも間違いですが、「諦めていた」のも間違いですね。
核ミサイルが発射され、人類は滅ぶ
「某国から核ミサイルが発射されるという話があった。子供だったので怖かった」
「2000年問題で混乱が起き、それが原因で戦争になるという怖い話があった」
ここまで来ると、まさに「何とかの大予言」クラスのウワサ話ですが、そのようなことは一切起こりませんでした。良かったですね。
現在アラサーの皆さんは、2000年問題があったときにはちょうど思春期を迎えたころだったでしょう。世間でいろんなことが言われていましたから、多感な時期だけにその影響をもろに受けたかもしれません。この手の話は子供たちこそ真剣に受け取るものです。大人たちは「まあ、なんとかなるだろ」なんて思っていたわけですが(笑)。
(松田ステンレス@dcp)
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