報道番組を見ている際、「犯人はバールのようなものを……」といった内容のニュースを耳にしたことはありませんか? このバールというのは、そもそもどんな形をしており、何のために用いられる道具なのかご存じでしょうか? また、「のようなもの」というのは、バールではなく一体何なのかも気になるところです。今回は、「バール」について調べてみました。
そもそもバールとは?
そもそも「バールとはなんぞや?」という人は多いかもしれません。バールというのは鉄でできた棒状の「大工道具」です。
上の写真を見て「バールじゃなくて釘抜きじゃないの?」と思った人、正解です。一般的なバールは片側の先端がV字に割れており、このV字の部分に釘の頭を引っ掛けて「てこの原理」で引き抜きます。つまり、バールは釘を抜くための道具でもあるのです。
バールの釘抜きではない側は、先端が薄く扁平な形で、この部分を隙間に差し込み、同じくてこの原理で何かをこじ開けたり、引き剥がしたりします。強い力を発生させられる道具なので、自動精算機や自販機などを無理やりこじ開けるような強盗事件でよく用いられるのです。
理由なく所持するのは禁止です
バールはDIYショップなどで手軽に入手することができます。しかし、「作用する部分のいずれかの幅が2cm以上」「長さが24cm以上」のバールは、建物の侵入に使用される可能性が高いということで「指定侵入工具」とされています。他にもマイナスドライバーやドリルなども指定侵入工具になっており、こうした指定侵入工具は、正当な理由なく携帯することが禁じられています。
これは「特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律」で定められており、正当な理由なく携帯していた場合は「一年以下の懲役または五十万円以下の罰金」に処される可能性があるのです。
バールのようなものって一体ナニ?
警察からの報道発表で「犯人はバールのようなものでこじ開け……」とあった場合、バールではなく一体何が使われたのでしょうか?
警察関係者に電話取材してみたところ、バールを使った犯行であることが明らかな場合は、はっきりと「バールを使った」と発表するが、それ以外の特定できないものが使われている場合に「バールのようなもの」と発表するそうです。
そこで、警察の窓口の方に「バールのようなものが一体何か分かりませんか?」としつこく質問をしたところ、「バールのようなものは、バールのようなものとしか言いようがない」と困らせてしまいました。
「バール」と「バールのようなもの」についてまとめてみました。残念ながら「バールのようなもの」は、報道発表をしている警察でも何かまでは分からないとのこと。何らかの引き剥がす道具なのかもしれませんが、その正体は謎のままです。バールのようなものが一体なんなのかは、使った犯人にしか分からない、ということですね。
(天野フラッペ@dcp)
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