1980~1990年代は「ビデオデッキ」が映像の録画・再生機器の主流でした。このビデオデッキでは「VHSテープ」(通称ビデオテープ)という、黒いテープメディアが使われていました。
アナログなメディアだったので面倒なことも多く、時には予期せぬトラブルに見舞われることもありましたね。そこで今回は、「VHSテープ時代によくあったこと」を挙げてもらいました。
うっかり上書き録画してしまう
「録画したい番組があるのを忘れていて、焦って手近にあったテープを確認せずにデッキに入れて録画したら、『8時だJ』という姉が好きなアイドル番組を上書きしてしまった。結局全部消えてしまったのでけんかになった」
「当時『誰にも言えない』というドラマの最終回を録画したら、まだ見ていない先週放送分に上書きしてしまい、何がどうなったのか分からないまま最終回を見ることになってしまった」
テープの「爪」と呼ばれる部分を折れば上書き不可にできましたが、面倒ですからしていない人が多かったですよね。その場合はこうしたトラブルも起こるわけで……。
録画した番組が終わったと思ったら別の番組が始まる
「録画した『生だら』を見終わった途端にいきなり親父が録画していた戦争映画が始まってびっくりした」
「録画した番組が終わった後に重ね録りされなかった部分が再生されること。だいたい同じパターンが多くて、私の場合は『ドラえもん』が終わってから『ガチンコファイトクラブ』が始まる流れが多かったです」
VHSテープはどんどん重ねて録画していくので、こうしたことが何度も起こりました。そのまま始まった番組を見続けるとまた違う番組が始まる、なんてこともありましたね。
重ね撮りをしすぎて画質がめちゃくちゃになる
「毎週同じテープに『タモリ倶楽部』を録画していたら、重ね録りをしすぎたのか映像と音声がめちゃくちゃになった。ノイズがひどくてまともに見られなかった」
「VHSテープは重ね録りを繰り返すと画質がひどくなってしまう。うっかり画質が悪くなったテープに大事な番組を録画してしまいがっかりしたことがあります」
録画するごとにテープが劣化し、これが画質を低下させる原因になります。劣化しにくい素材を用いた「重ね録り用テープ」も販売されていましたね。
テープがデッキのリールに絡んでしまう
「テープがデッキのリール部分に絡んでしまって取り出せなくなった。仮病で学校を休んでアニメを見ていたときに急に親が帰ってきて、慌てて取り出そうとして絡んだときはめちゃくちゃ焦りました」
「取り出しボタンを押してガチャッ!と大きな音がしたらもう無理でした。菜箸とか長い棒を突っ込んでなんとか取り出した思い出があります」
レンタルビデオが取り出せなくなったときは心の底から「なぜだ!?」と思ったものでした。頻繁にテープが絡んでしまうデッキの場合、取り出しボタンを押してから無事に出てくるまで緊張しましたよね。
テープが傷付いて大事な部分が見られなくなる
「リールに絡んだりしてテープが傷付き、その部分が見られなってしまう。『ミュージックステーション』を録画したのに好きなアーティストのところだけノイズになってしまったことがある」
「買ったばかりのアニメだったのに、デッキから無理に取り出そうとしてテープがくしゃくしゃになってしまった。当然見られなくなって1万円が無駄になった」
買ったばかりのテープが傷付くのは悲しいですね。今でもDVDやブルーレイディスクの表面に傷が付くと、再生されなくなったり、その部分がスキップされたりします。メディアが変わった今でも通じるあるあるですね。
VHSテープならではの懐かしい思い出を挙げてもらいました。実際に同じような経験をした人も多いでしょうね。残念ながらビデオデッキの国内生産は終了しており、VHSテープを大事に取っていても簡単には見られないのが現状です。ただ、中古のデッキを買ったり、VHSテープの映像をDVDにダビングするサービスなどもあるので、思い出のテープがある人はそうした方法で見てみるといいですね。
(松田ステンレス@dcp)
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