日本人は肩こり持ちの人が多いといわれます。そのため読者の皆さんの中にも、つらいときはマッサージの施術を受けるという方がいらっしゃるかもしれません。ただ、ひと口にマッサージといっても「整体」「接骨」「指圧」「カイロ」などさまざまな看板を見掛けます。この中のカイロ――「カイロプラクティック」とはどのようなものかご存じでしょうか。
「カイロプラクティック」はアメリカで生まれた
そもそもカイロプラクティック(Chiropractic)はアメリカ合衆国で生まれたものです。
1895年にダニエル・デビッド・パーマーさんが創始しました。ギリシア語の「カイロ = 手」と「プラクティック = 技術」を足した造語が「カイロプラクティック」で、名前のとおり「手技療法」と和訳されることが多いですね。
手で触り、押したり、もんだりなどして治療するわけですから、一般人からすれば「指圧」「接骨」「整体」といったほかのマッサージと区別がつきにくいのです。
しかし、1895年に生まれたカイロプラクティックは、ダニエルさんの多くの弟子が普及と進歩に努めたおかげで、現在ではWHO(世界保健機関)で「代替医療」として認定されるようになっています。
また、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ヨーロッパ諸国を中心に40カ国ほどで「筋骨格系の障害とそれが及ぼす健康全般への影響を診断、治療、予防する専門職」(WHOの定義)として認定されています。
カイロプラクティックの技術を持つ「カイロプラクター」になるには、ダニエルさんに始まる技術を教えてくれる大学に通い、卒業して資格を得なければなりません。そうした道筋を経て初めてカイロプラクターと名乗ることができるのです。
ただし日本ではカイロプラクティックの資格認定が法的にないため、欧米のようにきちんと専門の学校に通い資格を授与されていなくても、「カイロ」と看板を掲げてもいい状態になっています。
日本ではカイロプラクティックというと「指圧の一種でしょ」みたいな認識かもしれませんが、欧米では代替医療の一つとして一般にも広く認知されています。
カイロプラクティックが健康に及ぼす効果の論文なども多くあり、科学的な研究は現在も続いています。ただ、もしカイロプラクティックの施術を受けてみたいと思うなら、本当のカイロプラクターに受診するのが良いでしょう。
(松田ステンレス@dcp)
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