男性には、「月経周期で変化する女性の魅力」を感じ取れるプログラムが備わっている？

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2020.07.22

女性には、男性から「より魅力的に見られる時期」があるという仮説があります。それには「月経周期」が関係しているというのです。

今回は、「月経」がモテに影響を与える事実を実証しようとした面白い研究結果を報告します。

女性は思春期になると女性ホルモン「エストロゲン」の分泌によって体形が丸みを帯びて「女性らしい体つき」になります。この女性らしい体つきが男性を引きつけることは、皆さんもよくご存じですね。

生物は交配相手を得て子孫を残すのが究極の目的です。そのため生物には子孫を残すために適した相手を見分ける能力が備わっている、と考えられます。

それはヒトも同じで、男性には「女性らしい体つき」などの要素を巧みに（かつ意識に上らないうちに）識別し、「魅力的だ」と感じるプログラムが走っているのではないか、と推測できます。

「魅力的な女性を識別するプログラム」は、男性の内部に本当にあるのでしょうか？

男性が感じる女性の魅力は月経周期で変化する

これは2007年に発表された、ニューメキシコ大学のジェフリー・ミラー（Geoffrey Miller）博士らのチームの研究です。

研究チームはストリップクラブでラップダンスを行うダンサー18人について、「受け取るチップの金額」と「彼女たちの月経周期」の関係について調べました。

結果は以下のようになったのです。

※金額は平均値

つまり男性は、妊娠能力がピークになる時期の女性を「より魅力的」と感じるようなのです。ヒトの男性には女性の変化を見極めるプログラムが備わっていて、意識には上りませんが、そいつが自動的に「魅力的だ」と感じさせているというわけです。

また、ダンサーの中にはピル（避妊薬）を使用している女性もいて、彼女たちの収入は、ピルを使用していない女性よりも明らかに少なく、上記のような月経周期による収入についての有意な差は見られませんでした。

※金額は平均値

ピルは、偽妊娠状態をつくって排卵を抑制し、妊娠しないようにする薬です。

その偽妊娠による「何かの変化」が男性客に影響を与えたと推測できます。つまり「この女性はすでに妊娠しているから選ぶべきではない」という判断が知らないうちに行われ、「あまり魅力的ではない」という感情を起こさせたのではないか？というわけです。

⇒論文：「Ovulatory cycle effects on tip earnings by lap-dancers:Economic evidence for human estrus?」
https://www.ehbonline.org/article/S1090-5138(07)00069-4/fulltext?code=ens-site

システマチックに表現すると、男性が持つ「恋愛感情を制御するプログラム」は、正確に女性の月経周期や妊娠状態を察知して妊娠可能かどうかを感知できているということになります。なかなか興味深い研究ではないでしょうか？

私たちの脳では進化の過程で得られたさまざまなプログラムが動いているものと考えられます。それらのプログラムは意識しないでも動作し、私たちの感情に影響を与えているようです。この情報を知る人は、知らない人に比べ多面的な意味で有利となるでしょうね。

(高橋モータース＠ｄｃｐ)