「低血圧は見えない病気」という話

低血圧に悩んでいる女性は多いといわれます。体がだるい、朝起きづらいなど、低血圧のために生活に支障が出ることもありますね。この低血圧を改善することはできるのでしょうか?

女性は低血圧が多い

「女性に低血圧の人が多い」というのは本当なのでしょうか? 日本人の血圧分布について調べたデータがありますので見てみましょう。

●男性
高血圧:11.7%
正常血圧:80.5%
低血圧:7.8%

⇒男性1,861人を調査

●女性
高血圧:11.8%
正常血圧:66.3%
低血圧:21.9%

⇒女性3,246人を調査

高血圧の人の比率は男女でさほど変わりませんが、低血圧は圧倒的に女性の方が多いことが分かります。低血圧の女性は男性の2.8倍もいるという結果ですから、一般にいわれている「女性に低血圧の人が多い」は本当です。

※上記のデータ出典は永田勝太郎医師の著作『本当は怖い低血圧』

低血圧の「よくある症状」とは

低血圧によって起こる「よくある症状」には次のようなものがあります。

●立ちくらみ、あるいは目まいを起こしやすい
●立っていると気持ちが悪くなる。ひどくなると倒れる
●入浴後、あるいは嫌なことを見聞きした際に気持ちが悪くなる
●少し動くと、動機あるいは息切れがする
●朝はなかなか起きられず、午前中調子が悪い

また「時に起こる症状」は下のようなものです。

●顔色が青白い
●食欲がない
●ときどき強い腹痛を訴える
●倦怠感がある。あるいは疲れやすい
●しばしば頭痛を訴える
●乗り物に酔いやすい

上記の「よくある症状」に2つ以上当てはまる人は低血圧の可能性が高いと言えます。一度きちんと自分の血圧を計測してみましょう。

自分の血圧を測定してみましょう!

女性の場合、血圧計で測った数値によって「高血圧」「正常血圧」「低血圧」の判定は下のようになっています。

●血圧計による女性の血圧判定
170- 高血圧
160-169 高血圧
150-159 高血圧
140-149 高血圧傾向
130-139 正常血圧
120-129 正常血圧
110-119 正常血圧
100-109 低血圧傾向
90-99 低血圧
80-89 低血圧
-79 低血圧

※数字の単位はmmHg

「病院で計測すると『正常』といわれることがありますが、それは『白衣性高血圧』(昇圧効果)かもしれません。白衣を見るなどして緊張すると血圧が上がることがあります。低血圧の方は、緊張しやすいので、自宅で測ったほうが正確な値になります。

また病院では、シュッシュとポンプ式に腕を締め付けて計測する機器で、1回だけ測ることが多いですが、本当はそれでは正確ではありません。正確に血圧を測るには、2分おきに、

・臥位で3回
・立位で5回

と血圧を計測して、その変動を診るのが正確です。

「貧血」と「低血圧」は違う!

「低血圧」と「貧血」は混同しやすいので注意が必要です。

●低血圧:血流が遅いこと
●貧血:血液が薄いこと

によって症状が生じます。日常生活に支障を来すことも多いのです。また、低血圧を放置すると余病を引き起こす可能性もあります。

低血圧の改善方法はある?

「低血圧」はどのようにすれば改善できるのでしょうか? ライフスタイルの改善が基本です。

・規則正しい生活を送る!
  早寝早起きが基本
  睡眠をたっぷり取ること

・規則正しく食事を取ること!
  朝食は必ず取ること

・疲れたら十分に休息を取る!

・強すぎるストレスは避けること!

といった点に気を付けます。もし、朝どうしても食欲がない、というときには温かいミルクを1杯飲むなどをしてみましょう。食欲がなくても口に何か入れることを心掛けます。

寝ているときは副交感神経優位な状態で、起きているときは交感神経が優位な状態です。目覚めるためには交感神経が優位な状態にしてやる必要があります。例えば、なんとかバスルームまで行って熱いシャワーを浴びるなどし、無理にでも交感神経優位な状態をつくり出せば目覚めやすくなります。

低血圧の人が気の毒なのは、低血圧が病気だということを周りの人が理解してくれない点です。「やる気がない」なんて言われ、故なき非難を受けることもあります。

いわば低血圧は見えない病気なのです。

生活習慣病ですから、上記のようなライフスタイルの改善で良い方向に向かうことができます。一般にも低血圧に対する理解が深まれば、低血圧の人もより生きやすくなるのではないでしょうか。

(松田ステンレス@dcp)

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