「自律神経失調症」という病名を聞くことがあるでしょう。また、お医者さんに「自律神経失調症でしょう」なんて言われたことがある人がいらっしゃるかもしれません。この「自律神経失調症」がどんな病気かご存じでしょうか!?
「自律神経失調症」は病気が特定できない!
実は「自律神経失調症」とは、
さまざまな症状があるのに検査を行っても異常が見つからず、病気が特定できない場合に使われる病名
なのです。患者の訴える症状としては以下のようなものがあります。
●全身症状
疲労、倦怠(けんたい)感、のぼせ、火照り、不眠など
●神経系の症状
頭痛、目まい、しびれなど
●循環器系の症状
不整脈、動悸(どうき)、立ちくらみなど
●呼吸器系の症状
息切れ、咳、あくびなど
●消化器系の症状
嘔吐(おうと)、胸焼け、下痢、便秘など
●運動器系の症状
肩凝り、腰痛、背中痛、首筋の筋肉痛など
●泌尿器系の症状
頻尿など
●生殖器系の症状
勃起不全、生理不順など
●精神性の症状
いらいら、焦り、集中力の低下、不安感、情緒不安定など
このように、呼吸器系、循環器系などから精神性のものまで、あらゆる症状が起こり得るのですが、病名が特定できない場合には自律神経失調症とひとくくりに呼ばれます。
自律神経失調症はなぜ起こる?
自律神経失調症はなぜ起こるのでしょうか? これは、名前のとおり、自律神経の働きが不調となっているため、と考えられます。
人間の生命活動は特に意識することなく維持されています。たとえば、人間は内臓の活動を自分で意識して変えたりはできません。意識に上らないですが、人間の体はほとんど自動で動いていますね。これは自律神経の働きによります。
自律神経には「交感神経」「副交感神経」があり、この二つが適切に作用することで人間は健康を維持できます。
たとえば、交感神経が血管を収縮させるのであれば、副交感神経は血管を拡張させます。二つの神経系の主な働きを以下に挙げてみましょう。
●交感神経の主な働き
・瞳孔を拡大する
・気管支を拡張する
・心臓の拍動を促進する
・血管を収縮する
・腸の蠕動(ぜんどう)運動を抑制する
・膀胱(ぼうこう)の拡大を促進する
●副交感神経の主な働き
・瞳孔を縮小する
・気管支を収縮する
・心臓の拍動を抑制する
・血管を拡張する
・腸の蠕動運動を促進する
・膀胱の収縮を促進する
このように、交感神経と副交感神経は相反する作用をし、これが適宜に働くことで体内のバランスを保つのです。
ところが、この二つの神経系のバランスが崩れると、先に上でも見たような症状が現れやすくなります。また、その日によって症状が違うといったこともよくあります。こういった点が自律神経失調症の難しいところです。
心身のストレス、不規則な生活などが原因になるとされますので、自律神経失調症にならないためには、日々の生活をストレスフリーに、健康に送ることが大事なのです。
(松田ステンレス@dcp)
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