1日に何度もおしっこをしにトイレに行く人を「トイレが近い」といいますね。逆に、おしっこの回数が少ない「トイレが遠い人」もいらっしゃいます。今回は1日の尿の量など「トイレが遠い・近い」についてご紹介します。
1日の排尿回数は「5-7回」が平均!
1日に作られる尿の量は1-1.5リットルといわれています。ぼうこうに250(-300)ミリリットルの尿がたまると、尿意を感じるようになっていますので、これを1回のおしっこで出す(排尿)量とすると、
ですから、1日の排尿回数は「6回」となります。平均的な排尿回数は「5-7回」といわれていますが、それは上記の計算からも分かります。
おしっこの回数が多いことを「頻尿(ひんにょう)」といいますが、この定義はけっこう難しいのです。
『日本泌尿器科学会』によると、頻尿とは「一般的には、朝起きてから就寝までの排尿回数が8回以上の場合を頻尿といいます」となっています。
一応「8回以上行くと頻尿」ですが、これにはもちろん個人差があります。
例えば、回数は6回と平均的なものであっても本人が「おしっこの回数が多くて困る」と悩んでいるのであれば、頻尿と診断される可能性があるのです。
1回当たりの排尿量には当然個人差がありますから、それによって1日当たりのおしっこの回数は変わってきますね。
⇒引用元記事:『日本泌尿器科学会』「尿が近い、尿の回数が多い ~頻尿~」
https://www.urol.or.jp/public/symptom/02.html
トイレが遠すぎると……!? 乏尿は要注意!
では「トイレが遠い」場合はどうでしょうか?
頻尿の反対の言葉は「乏尿(ぼうにょう)」です。「1日当たりの排尿量が400ミリリットル以下」の場合は乏尿とされます。
ちなみに「1日当たりの排尿量が50ミリリットル以下」になると「無尿」です。
乏尿では、尿が少なくなりますので、本来は(尿によって)排出されるべき老廃物が体内に残ってしまうことになります。そのため、
・顔や足などがむくむ
・全身の倦怠(けんたい)感、だるさ
・吐き気、嘔吐(おうと)
などの症状が現れることがあります。乏尿、無尿の場合には、「急性腎障害」などの疾患が疑われます。もし尿の量が極端に少ない場合にはすぐに専門医の診察を受けましょう。
トイレが遠くても病気じゃないこともある!
上記の乏尿は健康を損なう可能性の高い病気ですが、たとえトイレが遠くても病気ではないこともあります。1日に作られる尿の量は上記のとおりかなり個人差があります。
1-1.5リットルが普通としても、1リットルと1.5リットルでは5割も違いますからね。例えば1日の尿の量が1リットルの人がいて、それがその人にとって正常な場合、1回当たりの排尿量が250ミリリットルであれば、
ですので、1日当たりのおしっこの回数は「4回」となります。一般平均が6回だとすると、この人は「トイレが遠い」ですが、本人にとっては至って普通、また健康なら正常といえます。
このように、一般には「おしっこは1日に『5-7回』が平均」といわれますが、これには個人差があるわけです。
「人より少ないな」と思っても、それがあなたにとって「普通のこと」で、また健康を害していないのであれば、問題ないでしょう。
ただし、上記の「乏尿」のように尿の量が400ミリリットル以下(そうなると排尿回数も1-2回)となると問題です。
繰り返しになりますが、乏尿の症状があったら、速やかに専門医を受診してください。
(高橋モータース@dcp)
コメント