最近では、歯のケアに気を使う人が増えています。厚生労働省の調査によれば、毎日歯を磨く人は年々増加しており、2016年(平成28年)には77.0%に達しました。それでも日本人の8割は歯周病といわれています。本当にそうなのでしょうか!?
「歯周ポケット」に注目している!
「歯周病」とはプラーク(歯垢)にいる細菌が引き起こす病気です。炎症を起こし、徐々に歯肉を侵していきます。歯の土台に当たる「歯槽骨(しそうこつ)」まで溶かすほど進行すると、歯肉から膿(うみ)が出るなどのひどい状態になります。かつては歯槽膿漏(しそうのうろう)という名称もありましたが、現在では一般に歯周病と呼ばれています。
プラークは、歯と歯肉の間の「歯周ポケット」といわれる部分にたまりやすく、歯磨きの際には歯周ポケットからプラークをかき出すことが大事なんていわれますね。
歯周ポケットが深くなるほどそこにプラークがたまりやすく、ケアがしにくいですから歯周病になりやすいといえます。WHOの定めた地域歯周疾患指数(Community Periodontal Index:CPIと略されます)は、この歯周ポケットの評価で、
code1:歯周ポケットを測った際に出血が見られる
code2:歯石がある
code3:4-5mmの浅い歯周ポケット
code4:6m以上の深い歯周ポケット
となっています。code0の健全以外の人が、日本人(15歳以上)の8割を占めるので、「日本人の8割は歯周病」あるいは「日本人の8割は歯周病予備軍」といった言い方がされるのです。ただ、これはやや大げさな言い方ともいえます。なぜなら歯石があるだけでも歯周病という捉え方だからです。
厚生労働省の調査(記事末のURLを参照)では歯肉の状況を調べていますが、「4mm以上の歯周ポケットのある人の割合」は以下の結果となっています。
・20-24歳……25.7%
・25-29歳……31.4%
・30-34歳……33.1%
・35-39歳……39.5%
・40-44歳……44.9%
・45-49歳……44.6%
・50-54歳……54.1%
・55-59歳……47.8%
・60-64歳……57.9%
・65-69歳……60.5%
・70-74歳……53.6%
・75-79歳……55.3%
・80-84歳……47.7%
・85歳-……44.1%
(記事末の資料p24より引用)
年齢が上がるに従って4mm以上の歯周ポケットのある人は増え、35歳以上になると約4割に達することがわかります。アラフォーになったら歯周病で大変なことにならないよう、それまで以上に一生懸命歯磨きをしたほうがいいようです。
日本人の8割が歯周病というのはやや大仰な捉え方かもしれませんが、歯周病予防が大切なことは間違いありません。歯は一生使い続けるものですから普段から十分なケアを行うようにしましょう。
⇒データ引用元:『厚生労働省』「平成28年歯科疾患実態調査 結果(概要)」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/62-28-01.pdf
(松田ステンレス@dcp)
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