「ハチミツは美容・健康にいい」と聞いたことはありませんか? 今回はハチミツに含まれる成分や効果など、「ハチミツの持つ健康効果」についてご紹介します。
ハチミツに含まれる栄養成分は?
ハチミツを砂糖の代わりに調味料として使うことがあるように、ハチミツの主成分は糖質です。しかし、その糖質はいわゆる白砂糖とは異なります。また、ハチミツには糖質のほかにもさまざまな栄養成分が含まれており、それは主に以下のようなものです。
●糖質(ブドウ糖・果糖など)
ハチミツの成分のうち、約8割が糖質で、「ブドウ糖(グルコース)」「果糖(フルクトース)」「麦芽糖(マルトース)」などが含まれています。白砂糖よりも甘いので、より少ない量で同程度の甘さを感じることができます。また100g当たりのカロリーは、白砂糖が384kcal、ハチミツが294kcalで、ハチミツのほうが低カロリーです。
ハチミツに含まれるブドウ糖と果糖は「単糖類」といって、それ以上分解することなく素早く吸収され、エネルギーとして使われます。そのため、運動後などの栄養補給に適しており、疲労回復にも効果があるのです。とはいえ、成分の大半が糖質であることに変わりありませんので、食べ過ぎないようにしなければなりません。
●カリウム
ハチミツにはたくさんの種類のミネラルが含まれています。その中でも特に多いのが「カリウム」です。カリウムは「ナトリウム」と作用し合って体内に存在するミネラル。ナトリウムを取り過ぎると高血圧になり、体にさまざまな悪影響を及ぼしますが、カリウムを取ることで余分なナトリウムを排出してくれます。
ナトリウムとカリウム、どちらもバランス良く存在することが大切です。しかし一般的に日本人はナトリウムを多く取る傾向があるため、カリウムを多く含むハチミツを取ることでミネラルバランスは良くなるとも考えられます。また、カリウムをたくさん取ると低血圧になってしまいますが、健康な人の場合は尿に含まれて排出されるので問題ありません。
●ビタミンB群
ハチミツには「ビタミンB1」「ビタミンB2」「ナイアシン」「葉酸」「パントテン酸」といった「ビタミンB群」が含まれています。ビタミンB1、B2、ナイアシン、パントテン酸はエネルギー代謝を助け、葉酸は細胞や赤血球をつくるのに必要です。
その他の効果
ハチミツには、上記の栄養成分によるもの以外にも以下のような優れた効果があるといわれています。
●整腸作用
ハチミツに含まれる以下の成分には、整腸作用があるとされます。
・グルコン酸
「ビフィズス菌」を増やす唯一の有機酸とされています。ビフィズス菌は人間の腸内の「善玉菌」と呼ばれており、腸を健康に保つために重要な役割を果たします。
・オリゴ糖
ハチミツに含まれる糖質の一つです。オリゴ糖は分解されずに腸に届き、ビフィズス菌の餌になります。つまり、ビフィズス菌を増やし、腸内環境を整えるのに役立つのです。
・トリプトファン
脳内物質「セロトニン」をつくるのに必要になる「必須アミノ酸」の一つです。セロトニンには自律神経を整え、ストレスを抑える働きがあるとされています。そのため、ストレスが原因で起こる便秘や下痢(げり)を予防する効果が期待できます。
●殺菌・抗菌作用
ハチミツを傷口に塗ると、雑菌の繁殖や傷の乾燥を防ぐといわれています。また、喉が腫れたり咳(せき)が出たりするときにもハチミツが効くといわれます。これはハチミツは糖度が高く、ハチミツの中では細菌が繁殖できないこと、保湿性が高いことによります。
ただし、ミツバチが花の蜜を集め、ハチミツを作る際にボツリヌス菌が入ることがあり、免疫ができていない1歳未満の乳児に与えると「乳児ボツリヌス症」を起こすことがあります。ハチミツは優れた食品ですが、1歳未満の乳児には与えないようにしましょう。
ハチミツは優れた健康食品で、砂糖の代わりに使うこともできます。しかし、その場合でも1歳未満の乳児に与えるのはやめましょう。「乳児ボツリヌス症」の原因となるボツリヌス菌は熱に強く、加熱調理をしても死滅しないといわれています。繰り返しになりますが、くれぐれもご注意ください。
※この記事は、糖尿病患者にハチミツの摂取を勧めるものではありません。
(松田ステンレス@dcp)
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