アメリカ合衆国の「台湾関係法」(Taiwan Relations Act)は、1979年01月01日施行(同年04月10日承認)の「合衆国と台湾の関係についての基本方針」を示すものです。
最初に以下のように書かれています。
An Act
To help maintain peace, security, and stability in the Western Pacific and to promote the foreign policy of the United States by authorizing the continuation of commercial, cultural, and other relations between the people of the United States and the people on Taiwan, and for other purposes.この法は、西太平洋の平和、安全、安定を維持し、合衆国国民と台湾国民との間の商業、文化、その他の関係の継続を認めることによって合衆国の外交政策を推進すること、およびその他の目的のためのものである。
その上で、以下のように続きます。
a.The President- having terminated governmental relations between the United States and the governing authorities on Taiwan recognized by the United States as the Republic of China prior to January 1, 1979, the Congress finds that the enactment of this Act is necessary– to help maintain peace, security, and stability in the Western Pacific;
and to promote the foreign policy of the United States by authorizing the continuation of commercial, cultural, and other relations between the people of the United States and the people on Taiwan.
a.大統領は、1979年01月01日以前にアメリカ合衆国とアメリカ合衆国が中華民国と認めた台湾の統治当局との間の政府関係を終了させたことにより、本法の制定が必要であると認める。
本法は、西太平洋地域の平和、安全、安定の維持を支援するものであり、合衆国人と台湾人との間の商業、文化、その他の関係の継続を認め、合衆国の外交政策を推進することを目的としている。
b.It is the policy of the United States-
1.to preserve and promote extensive, close, and friendly commercial, cultural, and other relations between the people of the United States and the people on Taiwan, as well as the people on the China mainland and all other peoples of the Western Pacific area;
2.to declare that peace and stability in the area are in the political, security, and economic interests of the United States, and are matters of international concern;
3.to make clear that the United States decision to establish diplomatic relations with the People’s Republic of China rests upon the expectation that the future of Taiwan will be determined by peaceful means;
4.to consider any effort to determine the future of Taiwan by other than peaceful means, including by boycotts or embargoes, a threat to the peace and security of the Western Pacific area and of grave concern to the United States;
5.to provide Taiwan with arms of a defensive character;and
6.to maintain the capacity of the United States to resist any resort to force or other forms of coercion that would jeopardize the security, or the social or economic system, of the people on Taiwan.
Nothing contained in this Act shall contravene the interest of the United States in human rights, especially with respect to the human rights of all the approximately eighteen million inhabitants of Taiwan.
The preservation and enhancement of the human rights of all the people on Taiwan are hereby reaffirmed as objectives of the United States.
(後略)以下は合衆国の政策である。
1.合衆国国民と台湾の人々、中国大陸の人々および西太平洋地域の他のすべての人々との間の広範で緊密な友好的な商業、文化、その他の関係を維持し、促進すること。
2.この地域の平和と安定は、合衆国の政治的、安全保障的、経済的な利益であり、国際的な関心事であると宣言すること。
3.中華人民共和国との国交樹立を決定する合衆国の決定は、台湾の将来が平和的手段によって決定されるとの期待に基づいていると明らかにすること。
4.ボイコットや禁輸を含む平和的手段以外の方法で台湾の将来を決定しようとする努力は、西太平洋地域の平和と安全を脅かすものであり、合衆国にとって重大な懸念であること。
5.台湾に防衛用の武器を提供すること。
6.台湾の人々の安全保障や社会的・経済的システムを危うくするような武力やその他の強制に抵抗するための合衆国の能力を維持すること。
本法のいかなる規定も、合衆国の人権、特に台湾の約1,800 万人の住民全員の人権に関して、合衆国の利益に反するものであってはならない。
台湾の全ての人々の人権の保全と強化は、ここに合衆国の目的として再確認されている。
合衆国の政策として、4項の規定で「台湾の将来が平和的手段によって決定されるとの期待に基づいている」としており、また5項では「防衛用の武器を供給する」と明確に述べています。さらに、6項では「台湾の安全保障のために合衆国の能力を維持する」としています。
合衆国は、この台湾関係法に基づき、対岸の「中華人民共和国」(中国・中国共産)と対峙しているというわけです。
本法の全文は以下のリンクを参照してください。
⇒参照:『American Institute in Taiwan』公式サイト「Taiwan Relations Act」
(松田ステンレス@dcp)
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