「ツボ」とは? 「WHO(世界保健機関)公式ツボ」もある

こりをほぐしたり、疲れをとりたいときには「ツボを押すといい」といいます。

肩こりのツボに足ツボ、さまざまなツボがありますが、そもそもこの「ツボ」とは何なのでしょうか?

一部表記については『黄帝内経』(中国最古の医学書)より抜粋しています。

ツボは『WHO』も認めていた

「ツボ」とは、「そこを押すと体に何らかの良い効果が出やすい場所」で、これ以上の説明は難しいのです。そもそも「たまたまそこを押して体に良い影響が出た」という民間療法的なものが始まりといわれています。

それが「たまたま」ではなく、誰でも同じ効果が出るポイントであるということが、昔から積み重ねられ、現在に伝えられているようです。ある意味、究極の民間療法といえます。

長い時間をかけて見いだされた、いろいろな場所にあるツボですが、医学的に効果があるものなのでしょうか?

実は『WHO』(World Health Organizationの略:世界保健機関)が、「ツボは本当に神経が集まっている場所である」ことや「そこを押すことで脳に信号が伝わり確かな効果がある」など、医学的根拠を実証し医療として効果があると認めています。

ツボの種類は実は361しかない!?

WHOも認めた東洋医学由来の療法である「ツボ」ですが、その数はどれくらいあるのか気になるところでしょう。

実は現在正式に認められているツボは「361カ所」しかありません(2006年時点)。何千年もかけて見いだされた割には少なく感じますが、これはあくまで経絡(けいらく)上にある、『WHO』が「医学的に効果がある」と認めた、「正穴(せいけつ)」と呼ばれるツボの数なのです。

経絡とは簡単に言うと身体を流れるエネルギーの通り道のことで、正穴は鍼灸(しんきゅう)の治療でもよく使われるものです。

その他、経絡外にあるツボは「奇穴(きけつ)」と呼び、その数はなんと1,000以上あります。

発見されたさまざまなツボは中国の古い医学書にも記されており、その日の体調によって場所が変わるツボもあるそうです。また医学書によっては、160~362ものツボが掲載されており、それぞれに呼び名が付けられています。

ツボは国や地域独自のものも多く、たとえば同じ効果のツボであっても場所が違ったり、同じ位置でも異なる効果が出るとされているなど、同じ国内であっても地域によってバラバラなケースも多いそうです。

使えるツボはどこ?

数多くあるツボの中で、普段の生活の中で役に立つツボをご紹介します。

肩こりに悩んでいる人は多いでしょうが、肩こりに効果のあるツボは、

・風府(ふうふ)……後頭部下側、首との境目辺りにあるくぼんだ部分
・肩井(けんせい)……首と肩先を結んだ中間部分にある肩の一番高い部分

この2つが挙げられます。

また、頭痛で悩んでいる人は、

風池(ふうち)……耳たぶの2、3センチ後ろにあるややくぼんだ部分

が、頭痛に効果あるツボです。

ツボを押す際は、指の腹の部分でグーッと押しましょう。たまに細い棒状のもので押す人がいますが、ケガをしたり、刺激し過ぎることがあるので避けるべきです。

また、ツボ押しは無理な体勢でやらず、リラックスした状態で行うこと。健康のためのツボ押しなのに、悪い姿勢で体に負担を掛けてしまっては元も子もありません。他にも、ツボを押して痛みが強い場合も控えるようにしましょう。

(中田ボンベ@dcp)

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