高校野球の甲子園大会で、最も多く本塁打を放ったのは西武や巨人で活躍した清原和博。その数なんと13本で、これはいまだに破られていない不滅の記録です。では、清原の次に多く打っている選手の中に、意外な名前があるのはご存じでしょうか?
甲子園通算2位には意外な投手の名前が……
高校野球時代、甲子園で5本以上の本塁打を放った選手は以下の9人です。
●通算13本
清原和博
●通算6本
元木大介
中村奨成
桑田真澄
●通算5本
香川伸行
鵜久森淳志
森友哉
平田良介
藤原恭大
甲子園大会自体が出場するのが難しく、出場したとしてもそう簡単に本塁打が打てるわけではありません。トーナメント戦なので、チャンスも限られています。その中で13本というのはやはり圧巻の数字です。2位が6本ですから、倍以上も差があります。高校時代の清原はやはり怪物だったといえますね。
二番目に多い「6本」には3人が並んでいますが、皆さん何か違和感を覚えませんか? そう、巨人のエースだった桑田真澄の名前がありますね。
同じく通算6本を放った元木大介は、卒業後に巨人に入団し、「くせ者」というニックネームで活躍した選手。プロでは通算66本塁打をマークしました。中村奨成は現役の選手で、広島に所属する若手捕手。2人とも野手ですが、桑田は高校、プロでも投手だった選手です。なぜ桑田は投手なのに、清原に次ぐ本塁打数を残せたのでしょうか?
そもそも桑田はバッティングが得意だった
桑田はピッチングだけでなくバッティングも得意な選手でした。今でこそメジャーで大谷翔平が二刀流で活躍していますが、時代が時代なら桑田も二刀流でも通用していたかもしれないほど、打撃も優秀だったのです。
桑田はプロ20年で890打数192安打7本塁打、通算打率.218の成績を残しています。このうち通算打率は、1951年以降で通算500打数以上を記録した投手の中では歴代最高の数字。実際、打撃力に劣る野手とそんなに変わらない通算成績を残しています。
例えば、巨人が優勝した1994年の桑田は、73打数21安打、打率.288と、打席に立った回数は少ないものの、3割近い数字をマーク。2000年、2003年は3割を超える打率を記録するなど、打撃練習をほとんどしていない選手とは思えない打撃を見せました。ちなみに、2002年には代打で起用され、見事にレフト前ヒットを放っています。
このように、桑田はそもそもバッティング力の高い選手です。また、当時のPL学園は清原と桑田の活躍もあり、5季連続で甲子園に出場と、打席に立つ機会も多くありました。こうした要因が組み合わさることで、桑田の「甲子園通算6本塁打」という記録が生まれたのです。
現在、桑田は巨人の一軍投手チーフコーチ補佐を務めています。投球技術だけでなく、打撃技術も巨人投手陣に受け継がれた場合は、他のチームにとって脅威となるでしょう。今シーズン、巨人の投手がバットで快音を連発するようであれば、それは桑田の影響かもしれません。
(中田ボンベ@dcp)
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