外国人が日本に来て驚くことの一つに「パンのおいしさ」があります。
パン屋に行くと多種多様なパンが並んでいて、しかもどれもおいしいと思うそうです。また逆に、日本人が海外に行くと、日本にあるお馴染みの菓子パンが海外にないことにびっくりするそうです。
日本で本格的にパンが消費されるようになったのは明治以降ですが、現在までにさまざまな菓子パン、総菜パンが工夫されてきました。今回は、日本で生み出されたパンの起源をご紹介します。
あんパン
『木村屋總本店』の創業者・木村安兵衛さん、次男の木村英三郎さんが考案し、1874年(明治7年)に発売したのが「あんパン」の始まりとされます。あんパンは好評を博し、1875年(明治8年)には明治天皇に献上されています。
ジャムパン
「ジャムパン」も「あんパン」と同じく『木村屋總本店』が開発したといわれています。日露戦争当時、同店三代目・木村儀四郎さんが作った「東洋製菓」でジャム入りのビスケットを製造していました。このジャムを利用し、工夫を凝らしてできたのが木村屋の「ジャムパン」で、1900年(明治33年)に発売されました。
⇒『木村屋總本店』
http://www.kimuraya-sohonten.co.jp/ayumi
クリームパン
『新宿中村屋』の歴史によれば、「クリームパン」は同社の創業者である相馬愛蔵・黒光(こっこう)夫妻がある日、シュークリームを食べてそのおいしさに驚き、このクリームを用いてパンを作れないかと考えたことから始まったそうです。1904年(明治37年)に初めてのクリームパンが発売されましたが、当時は「柏餅型」だったそうです。
⇒『新宿中村屋』「クリームパン」の説明ページ
https://www.nakamuraya.co.jp/pavilion/products/pro_005.html
カレーパン
「カレーパン」の起源は主に2説あります。
1.東京都江東区にある『名花堂』(現・カトレア/明治10年創業)の二代目・中田豊治さんが1927年(昭和2年)に実用新案登録した「洋食パン」がカレーパンの始まりとする説。
2.東京都練馬区にある『デンマークブロート』(現・デンマークベーカリー)の創業者がカレーパンを作ったという説。同店の創業が1934年(昭和9年)なので、この説によればカレーパンの誕生は1934年以降となります。
Wikipediaなどには『新宿中村屋』の創業者がカレーパンを作ったという説も掲載されているようですが、『新宿中村屋』さんに伺ったところ「当社が創案したという認識はございません」とのことでした。
⇒『カトレア』
https://fukagawa-web.com/members-shops/cattlea/
⇒『デンマークベーカリーカフェレストラン』
https://www.hotpepper.jp/strJ001179303/ (ホットペッパー掲載)
焼きそばパン
「焼きそばパン」の起源は諸説あるようですが、そのうち有力な説の一つは東京都荒川区の『野澤屋』(現在は閉店)で生まれたというもの。誕生したのは1950年代で、コッペパンと焼きそばを別々に販売していたところ、店主の野澤成介さんがお客さんから「面倒くさいので挟んで」と言われたとか。
海外ではパンは主食だからこそシンプルなものがほとんど。
スイーツだったり、おかずだったりが混在する日本のパンは衝撃的だそうです。
また、焼きそばパンや、その亜種のナポリタンパンなどは「炭水化物に炭水化物を挟むのはおかしい!」という考えの方も多く。日本でいえば、うどんと白ご飯のセットのような違和感を感じるそうです。
ともあれ、日本のパン屋さんにはこれからも独自路線のおいしいパンを生み出していってほしいですね。
(高橋モータース@dcp)
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