日本ではビルを建てるときなどに「定礎式(ていそしき)」を行います。皆さんも上掲のような石をビルやマンションの植え込みなどで見掛けることがあるのではないでしょうか?
定礎式とは、建物の土台となる「礎石(そせき)」を据える際に行われる式です。
このときに、その建物の図面などを箱(「定礎箱」といいます)に収めて埋めることがあります。皆さんが見掛ける「定礎」と刻んだだ石は「定礎石」と呼ばれ、建物の竣工予定日を刻んで設置されるのです。設置場所は建物の南東とされることが多いようです。
「定礎式」は7,000年前から現代に伝わっている!
日本に定礎式が伝わったのは西洋の建築技術が入ってきた明治時代になってからのこと、とされます。
実はこの定礎式は世界最古の文明「メソポタミア文明」にすでにあったことが分かっています。
「定礎埋蔵物」と呼ばれるものがメソボタミア文明の遺跡から発見されているのです。今から7,000年も前の(メソポタミア南部の)ウバイド文化の頃からすでにあって、その後、5,000年以上もの間「定礎埋蔵物」は連綿とあり続けたと判明しています。
建造物の浄め、魔除けなどの呪術的意図、そして王の功業を記念するなどの目的で定礎碑、黄金、銀、宝石などが埋納されていた
とのことで、この「定礎碑」が悠久の時を超えて伝わり、現代の「定礎石」になっているというわけです。
はるか7,000年前も現在も「どうか建物が末永く無事であってほしい」という人の気持ちは同じなのです。
(高橋モータース@dcp)
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