「バブル時代のクリスマス」とは?

年々、クリスマスの準備が早くなっている昨今。10月のハロウィンのころにはすでにクリスマスも踏まえたイルミネーションの準備が進められてたりしています。

そんな2020年、フロリダのバーガーキングは、7月27日にクリスマス仕様に飾り付けを開始したそうです。さすがにこれは早すぎるだろと突っ込みたいとことですが、これは「新型コロナウイルス感染症で明るい話題がない2020年、せめて楽しい話題を」といち早くクリスマスの飾り付けを開始したとのこと。「クリスマス」という存在がアメリカ人に与える影響の大きさを物語っているニュースでもあります。

日本においてのクリスマスは、そこまで大きなイベントではないかと思いきや、そうでもなかった時代があります。それが「バブル時代」。クリスマス、バブルの時代には狂騒の一大イベントだったのです!

今から思えば男性受難の時代だった!?

バブル時代(1980年代後半から1990年代初頭)には、日本の好景気を反映してクリスマスは大変なことになっていました。

「クリスマスには高級店でディナーを取り、彼女に高級なプレゼントを贈り、夜景のすてきなホテルで一夜を過ごす」

というのが当然で、それを彼女のためにこなせない男性は「男性失格」みたいな風潮がありました。そのため、男性はクリスマスのために、

  1. 高級レストランの予約
  2. 高級プレゼントの確保
  3. 高級ホテルの予約

という三つの難題をクリアしなくてはならなかったのです。もちろんこれらを楽々こなすバブル紳士(笑)の皆さんもいらっしゃいましたが、そこはバブルの時代、ごく普通の若いサラリーマンや大学生までもこのトレンド(笑)に乗っかって大騒ぎだったのです。

目指すべきお店やアクセサリーは!?

高級レストランといっても並ではいけません。目指すべきは、

  • 『マキシム・ド・パリ』
  • 『サバティーニ・ディ・フィレンツェ』

といった超高級レストラン。クリスマスシーズンは厨房(ちゅうぼう)も戦場のようだったそうですが、お店に入れるのは予約争奪戦に勝利したカップルのみ。コースが静々と進行し、デザートが出るとどのテーブルでも男性がプレゼントを取り出すという一種異様な光景が見られました。

女性へのプレゼントで最も有名になったのが、

  • ティファニーの『オープンハート』

です。しかもこれはド定番でしたから、これを外してより高価なものを彼氏におねだりする女性もいらっしゃいました。クリスマス前のティファニーでは彼女用のプレゼントを確保するため、男性が長蛇の列。現在のようにネット通販で買う、なんてことはできませんから並ぶしかなかったのです。なんと入場制限が行われたこともあったのです。

この日のホテルがまた大変でした。クリスマス用のホテルといえば、「赤プリ」こと『赤坂プリンスホテル』が有名ですが、ものすごいスキーリゾートブームでもあったので「白銀に輝く夜を愛する人と」(笑) みたいなキャッチでスキー場のホテルも満杯。

  • 『赤坂プリンスホテル』
  • 『東京ベイヒルトン』(現在は『ヒルトン東京ベイ』)
  • 『シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル』
  • 『苗場プリンスホテル』

目指すべきはこのようなホテルでしたが、予約を取るだけで男性の皆さんはヘトヘトになりました。なにせ3カ月前に即行で予約しないと取れない! みたいな状況だったのです。

また、「二人の愛を確かめ合う聖夜」なんて認知がされていたため(笑)、上記のような高級ホテルでなく、ラブホ街でも大混雑。例えば、東京渋谷の円山町では、ものすごい数のカップルが「空き」を求めてさすらっているという情景が見られました。

一夜明けるとカップルが一斉にチェックアウトするので、朝日の中ホテルロビーは大混雑。やはり日本中が浮かれていたのかもしれません。若い世代の皆さんは「何だそりゃ」と思われるかもしれませんが、恐ろしいことにこれは本当にあったことなのです(笑)。もちろん筆者(バカ)のようにバブルレスな青春を送った者もいたわけですが……。

あなたは、今年のクリスマスをどのように過ごしますか?

(牧瀬ポンデリン@dcp)

コメント

タイトルとURLをコピーしました