「ゲルマニウム」のアクセサリーに健康効果はあるのか?

ゲルマニウムのネックレスやブレスレットが「血行が良くなる」「こりが緩和される」といったうたい文句で販売されていることがあります。健康グッズに分類されていることもありますが、これらは本当に効果があるのでしょうか。

そゲルマニウムとはどんな物質か?

ゲルマニウムブレスレットの多くは、ゲルマニウムの粒と称するものがブレスレットのピース(ピースがつながってベルトになっています)に埋め込まれており、これを体に着けていると「新陳代謝が良くなる」「こりがほぐれる」「血行が良くなる」といった説明がされます。

ネックレスの場合でも、たとえば「肩こりに効く」といった効能についての説明が付いていることがあります。

原子番号32のゲルマニウムは半導体の性質を持つ金属(正確には金属と非金属の間に位置する亜金属)です。

ゲルマニウムは、ブレスレット・ネックレスだけではなく、なぜか「健康器具類」に利用されることの多い金属なのですが、ゲルマニウム自体に「血行を良くする」「こりをほぐす」といった効能がある、と科学的に証明されたことはありません

「国民生活センター」が調査を行った

ゲルマニウムブレスレットについて消費者から相談が多く寄せられたため※1、『国民生活センター』が調査を行い、2009年(平成21年)6月25日に「体に良いとうたうゲルマニウム使用のブレスレット」という結果を公表しました。

※12004年度からの5年間で相談は2,309件にも及んでいます

調査結果では、

●ベルト部分からはゲルマニウムは検出されず、12銘柄中8銘柄は黒色又は金属の粒部分にもゲルマニウムが微量しか含まれていなかった※2。うち1銘柄はゲルマニウムが検出されなかった

※2高純度のゲルマニウムを使用した旨の表示があり、体に良いとうたった販売価格15,000円未満のゲルマニウムブレスレット12銘柄がテスト対象(記事末URLより)

●5,000円未満のほとんどの銘柄はベルト部分の主成分が鉄であり、汗が付いたまま放置すると(さび)が発生してしまうものもあった

などのテスト結果を公表しています。

金属が接触することによる皮膚炎(接触皮膚炎)を訴える相談もあったことから、同センターはこれについても調査しています。汗の成分に似せて「人工汗液」をつくり、12銘柄のゲルマニウムブレスレット商品に触れさせ、金属がどのくらい溶け出すのかを測ってみたのです。

最も発症頻度が高いとされる「ニッケル」についてはEUの基準値を超えることがなかったのですが、併せて調べたコバルトとクロム(共に金属アレルギーの発症頻度が高いのです)については、クロムでEU基準値(ただしニッケル溶出量)を超える商品がありました。

ゲルマニウムに健康に対する効果はない!

同センターの調査結果における最も重要な結論は以下です。

●全ての銘柄に、ゲルマニウムが健康に対する何らかの効果を示す旨の表示がみられたが、独立行政法人科学技術振興機構の科学技術文献データベースで検索したところ、科学的根拠を示す文献は確認できなかった

ゲルマニウムブレスレットの販売のうたい文句に、

・生体電流を整える
・肩・腰・関節等のこりを緩和する
・血行を良くする

といった文言があったりしますが、これらには科学的根拠が見当たらないということです。その上で、同センターは以下のように提言しています。

●(前略)ゲルマニウムブレスレットを購入する人は健康への効果を期待すべきではない

というわけですので、もし同様の商品を「健康のため」に購入しようと考えているのであれば、眉に唾を付けて思いとどまったほうが良いのではないでしょうか。お金は大事ですからね。

⇒データ引用元:『独立行政法人 国民生活センター』「体に良いとうたうゲルマニウム使用のブレスレット」
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20090625_1.pdf

(柏ケミカル@dcp)

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