「女性ホルモン」とは?

「女性ホルモン」って何?

まず「ホルモン」とはなんなのでしょうか。

ホルモンは、全身の至るところで作られる微量の物質で、それぞれが健康維持のために働いています。現在では、100種類以上のホルモンが発見されています。よく知られているものにはインスリンアドレナリン甲状腺ホルモンなどがあります。

ホルモンの中には「性ホルモン」といって、生殖や性に関係する働きを持つホルモンがあります。

性ホルモンは「雄性ホルモン」と「雌性ホルモン」に分類できますが、特にヒトの場合は「男性ホルモン」、「女性ホルモン」と呼びます。エストロゲン、プロゲステロンは、代表的な女性ホルモンです。

●卵胞(らんぽう)ホルモン「エストロゲン」
エストロゲンは卵巣で作られる女性ホルモンで、乳房や性器を発達させ、女性特有の丸みを帯びた体つきを形成させる働きを持っています。また、肌や髪を生き生きとした状態に保つのもエストロゲンの働きです。

そしてもう一つ大切なのが、月経の周期をコントロールすることです。一定の周期で分泌量が変化し、女性の心身に大きな影響を与えます。エストロゲンは排卵前に分泌量が増加し、気持ちを明るくしたり代謝を促す働きがあります。排卵日の前になると心身の調子が良くなってくるのはこのエストロゲンの働きによるものです。

●黄体ホルモン「プロゲステロン」
プロゲステロンもまた、卵巣で作られる女性ホルモンです。このホルモンは妊娠しやすくなるように準備をする働きがあります。具体的には子宮内膜を厚く維持し、受精卵が着床しやすくなるようにするのです。プロゲステロンもまた、月経の周期に応じて分泌量が変化し、さまざまな影響を及ぼします。

排卵後から月経前にはプロゲステロンの分泌量が増加します。食欲が増したり、眠くなる、いらいらする、憂鬱(ゆううつ)になるといった精神的な変化は、このプロゲステロンが作用することによって起こります。

ホルモンバランスを良い状態でキープしましょう

月経を規則正しいサイクルで迎えるのは、女性にとっては重要なことですね。そのためには、ホルモンバランスが正しく保たれていなければなりません。ホルモンバランスを整えるために、次のようなことに取り組んでみましょう。

●基礎体温の測定
毎朝起床時に体温を測定します。最低でも3カ月は測定し、データを取りましょう。これにより、月経のサイクルやコンディションを知ることができます。排卵や月経がいつごろになるのかも予測でき、素早くトラブルに対応できるようになります。

●心身を休める
ホルモンの多くは眠っているときに分泌されます。適切にホルモンを分泌させるため、質の良い睡眠が得られるようにしましょう。また、ぬるめのお湯に入浴するのも効果的です。体を温め、気持ちをリラックスさせることができます。

●栄養バランスの取れた食事
ホルモンバランスを整えるためにお勧めなのが、豆腐や納豆などの大豆製品です。大豆には、女性ホルモンと同様の働きを持つ大豆イソフラボンが豊富に含まれています。とはいえ、過剰に摂取するのも問題があります。食事で十分に補っているのであれば、サプリメントなどでさらに摂取する必要はありません。

そのほかビタミンB6、ビタミンEなども積極的に取ると良いでしょう。これらには、女性ホルモンの分泌を促す効果があります。ビタミンB6はマグロやカツオ、レバーなど、ビタミンEはアボカドやカボチャ、ウナギなどに豊富に含まれています。

●適度な運動
適度な運動は、自律神経のバランスを整えるのにも役立ちます。脳内の「ホルモンの分泌を促す部分」と「自律神経をつかさどる部分」は近くにあり、相互に影響を与えます。自律神経のバランスが整うことは、ホルモンバランスを整えることにつながるのです。

運動といっても、競技レベルの激しい運動である必要はありません。散歩程度の軽い運動でも効果が期待できますので、無理のない範囲で取り入れましょう。

●たばこ、お酒を控える
喫煙は全身の血行に悪影響を与え、卵巣の働きも低下させます。つまり、女性ホルモンの分泌にも影響を与えるのです。また、長期間にわたって飲酒を続けていると、ホルモンのバランスを崩します。その結果、月経の周期が乱れたり、場合によっては閉経の時期を早めてしまうという報告もあります。

完全にやめるのが難しいとしても、月経のサイクルが乱れていたり、ホルモンバランスの乱れによる体調不良が疑わしいようなときには量を減らす努力をしましょう。

●ダイエットを中止する
ダイエットの手法にもよりますが、多くは食事制限などを伴います。無理なダイエットはホルモンバランスの乱れにつながることがあります。すると、月経にも異常を引き起こしてしまいます。

月経のサイクルが乱れていたり、体に変調があるような場合にはダイエットは中止し、しっかりと栄養を取るようにしましょう。

ホルモンバランスの乱れによって起こる問題

「ホルモンバランスが乱れると生理不順になる」といわれますが、それだけでは済まない場合もあります。

ホルモンは、もともとごく微量で作用する物質です。わずかでも分泌量が狂えば、それだけでホルモンバランスが乱れてしまいます。ホルモンバランスの乱れは次のような問題を引き起こします。

●月経不順
月経のサイクルは、分泌される女性ホルモンの量によってコントロールされています。女性ホルモンのバランスが乱れると月経のサイクルにも影響を及ぼし、月経の周期が乱れてしまいます。

●子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)
子宮内や、その周りにできる良性の腫瘍です。この腫瘍はエストロゲンの働きによって大きくなります。目に見える症状としては、月経時の出血が多くなります。このほか、月経時以外でも出血したり、腰痛、トイレが近くなるといった症状も現れます。

●不正出血
子宮内膜が刺激され、剥がれてしまうことにより出血が起こります。ホルモンバランスの乱れ以外にも、子宮筋腫や子宮がんが原因で起こることもあります。不正出血が頻繁にあるようなら、速やかに病院で検査を受けたほうが良いでしょう。

●高プロラクチン血症
「プロラクチン」が過剰に分泌される病気で、排卵障害や不妊の原因にもなります。プロラクチンは、乳汁(にゅうじゅう)の生産を促す働きを持つ女性ホルモンです。

●骨粗しょう症
女性ホルモンには骨を強くする働きもあります。女性ホルモンの分泌量が減少すると、この働きも弱くなり、骨粗しょう症を起こしやすくなります。骨がもろくなり、転んで手を突いたりくしゃみをしただけでも骨折することがあります。

閉経後の女性に骨粗しょう症が多いのは、女性ホルモンの分泌量が減ることがその理由の一つです。

女性にとって、女性ホルモンのバランスを整えることは快適に過ごすために大切なことです。ホルモンバランスはちょっとしたことでも崩れてしまいます。月経がつらい、周期が安定しないという悩みのある方は、今回ご紹介した内容を参考に生活を改善してみてください。

(藤野晶@dcp)

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