「尿酸値」とは? 高・低でどうなる?

血液検査の項目の一つに「尿酸値」(あるいは「血清尿酸値」)があります。この尿酸値は、「痛風」の原因となる「尿酸」が血液中にどのくらいの量あるかを測るものです。尿酸値が高いと「高尿酸血症」と診断され、いつ痛風発作が起こってもおかしくありません。今回は「尿酸値」についてご紹介します。

尿酸は老廃物 血液中にどれくらいあるかが「尿酸値」

「尿酸」は「プリン体」という物質からつくられる老廃物です。尿酸は、体の中でつくられる量と体外に排出される量でバランスが取れており、体内に一定量はあるのですが、通常はそれが極端に多くなったり、少なくなったりすることはありません。

ですので、血液検査で尿酸値の項目があると結果を印字した部分にたいてい、

男性:3.8-7.5mg/dL
女性:2.4-5.8mg/dL

※「mg/dL」は、血液1dL(デシリットル)の中に何mg(ミリグラム)その物質があるか、という意味です。

といった基準値が書かれています。

この範囲であれば、正常の範囲内と考えられるというわけですが、『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第2版』によれば、尿酸値が「7.0mg/dL」を超えると「高尿酸血症」と診断されます。

また、同ガイドラインによれば「女性においては、血清尿酸値が7.0mg/dL以下であっても、血清尿酸値の上昇とともに生活習慣病のリスクが高くなる」としています。

ですから、上記基準値は正常かどうかを判定する基準とはなりますが、あくまでも参考としてとどめ、実際の体の状態に即して専門医の診断を仰ぎましょう。尿酸値が基準値より低くても痛風発作が起こることもあるのです。

⇒データ引用元:『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第2版』
http://www.tukaku.jp/wp-content/uploads/2013/06/tufu-GL2.pdf

尿酸が痛風発作を引き起こす仕組み

尿酸値が7.0mg/dLを超えるといつ痛風発作が起こってもおかしくありません。これはなぜなのでしょうか?

実は、7.0mg/dL以上の濃度となると尿酸が結晶化しやすくなるのです。血液中にできた尿酸結晶(正確には「尿酸塩結晶」)が組織に付着します。この尿酸結晶が剥(は)がれると、異物として白血球が攻撃するのですが、その際に炎症物質が放出され、これが激痛を引き起こします。

痛風発作は足の親指の付け根6割が発生するといわれますが、その理由は血管の屈曲部で尿酸結晶がたまりやすい場所だからです。また、手の先、足の先などは心臓から遠く、血液が冷えやすいので、それがまた血液中の尿酸が結晶化しやすい原因となります。

女性に高尿酸血症は少ないが……

女性には高尿酸血症が少ないのですが、これはそもそも女性の方が体内の尿酸が少ないことが理由です。女性ホルモン「エストロゲン」は尿酸の排泄を促す性質があるので、女性の場合、尿酸値を調べるとたいてい「5.0」前後です。高尿酸血症が少ないので、痛風になる人も少ないというわけです。

ただし、尿酸値が高いままで放置しておくことは良くありません。尿酸値が高いということは、心臓・腎臓・血液に負担を掛けることになるからです。慢性的に尿酸値が高いと腎臓の病気を引き起こすこともあります。

また、女性ホルモンの分泌が多い時期はいいのですが、閉経後に女性ホルモンの分泌が減ると尿酸の排泄が促されず、尿酸値が上昇することによって、痛風を発症したりといったことがあり得るのです。

尿酸値が低すぎるとどうなる?

では逆に尿酸値が低すぎるという場合はどうなのでしょうか? 尿酸値が「2.0mg/dL」以下の場合には「低尿酸血症」と診断されます。低尿酸血症では「腎性低尿酸血症」のケースが多いとされています。この腎性低尿酸血症は、腎臓の尿酸排出が過剰で体内の尿酸が異常に少なくなってしまうのです。

尿酸はそもそも老廃物で、腎臓で血液からこされ、おしっことして体外に排出されるものです。体内になければない方が良さそうなものなのですが、腎性低尿酸血症の場合には「急性腎不全」「尿路結石」になる可能性が高い、とされているのです。

尿酸は体内でバランスを保ちながら一定量存在するのが正常で、多くなり過ぎても、少なくなり過ぎても問題が起こるというわけです。読者の皆さんもお気を付けください。

(松田ステンレス@dcp)

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