「ハスキーボイス」といえば、少しかすれた、しゃがれたような声を指しますね。ブルースシンガーやロックシンガーなど、ハスキーボイスで聴衆を魅了する人もいらっしゃいます。ハスキーボイスはどのようにして出ているのでしょうか?
声の高い・低い、またかすれるのはなぜ?
そもそも声の高い・低いや、かすれている・いないは、何が理由で起こるのでしょうか?
実は「声の高い・低いはギターの弦と同じ」です。ギターの場合、音の高さは弦の太さ、長さ、張力で決まり、弦が細く短いと高い音が出ます。
人間の喉も同じで、女性の声帯は男性に比べて細くて短いので高い声が出るのです。
また声の「かすれ」については、
のです。
声帯は左右にあり、声を出すときにぴたりと閉じ、その間を空気が通ることで振動し、声が出るのですが、声帯の表面が滑らかできれいでなければ良い声が出ません。表面にポリープができたり、腫れたりすると、声がかすれてしまうのです。
ハスキーボイスになってしまう理由は?
長く続くハスキーボイスの理由は大きく3つが挙げられます。
1.声帯溝症
生まれつき声帯の表面がへこんで溝になっている状態です。演歌やブルースの歌手でハスキーボイスを売り物にしている方はこのような声帯が多いといわれています。先天的なものなので現在の医学では根本的に治療することは難しいのです。
2.声帯結節
日本人は欧米人に比べて喉を閉めて発声する人が多いため、声帯に負担がかかり、声帯の中央に「タコ」のような突出物ができます。こうなると声帯がぴたりと閉じなくなるため声が枯れてしまいます。
保育士さんや大きな声で接客する仕事、そのほか、歌手に多く見られます。長引く場合は突出物を取り除く手術が必要です。ただし発声法が悪いと再発するため、喉に負担のかからない正しい発声を身に付けることも重要です。
3.ポリープ様声帯
長期間の喫煙で声帯がぶよぶよに腫れてしまい、低くガラガラした声になってしまいます。「酒ヤケ」などといわれることがありますが、実際の原因はタバコです。禁煙すると進行は止まりますが声は元には戻らないため、声を良くするには腫れてしまった組織を取り除く手術をすることになります。
また、よく耳にする「声帯ポリープ」は、声を使い過ぎたことで声帯表面の血管が切れ、血豆ができてしまう症状です。ポリープ様声帯と名前は似ていますが、別の症状です。この声帯ポリープは咳などでできてしまう場合もあります。
また、声帯を動かす神経がまひして声帯が動かなくなり声が枯れてしまうこともあります。この場合は「大動脈瘤、甲状腺がんなど重篤な病気の原因となることが多く注意が必要です。
ハスキーボイスにならないためには?
ハスキーボイスにならないために以下の点に注意します。
・声帯の乾燥を防ぐために水分をこまめに取り、部屋の湿度などに気を付ける
・声をよく使う方は喉に負担のかからない正しい発声を身に付ける
もし、ハスキーボイスになるのがイヤでしたら、この3つが特に大事。きれいな声を維持したい人は、ぜひこれらを心掛けるようにしてください。
(松田ステンレス@dcp)
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