「鉄欠乏性の貧血」とは? 生理のある女性は特に注意!

疲れやすい」「めまい」「立ちくらみ」といった貧血からくる症状に悩んでいる女性は少なくないでしょう。

そんな人は「鉄が足りない」ために起こる「鉄欠乏性貧血」かもしれません。生理のある女性は自分でも気付かず鉄欠乏状態になることが多いのです。鉄欠乏性貧血についてご紹介します。

「鉄」は人の体にとって大事な金属!

まず「」は人の体内で一番量が多い生体金属です。普通、成人では体内に「3-4g」の鉄があると言われています。

体内鉄の65%はヘモグロビン(Hb)の形で存在します。ヘモグロビンは、血色素であるヘムとタンパク質のグロビンの2つのパーツからなります。血色素であるヘムが酸素を運ぶ働きをしていることは、学校で習ったことがあるでしょう

体内鉄の4%が筋肉中のミオグロビンに、15-30%が「貯蔵鉄」として肝臓に蓄えられています。ごく少量ですが、血清中には「血清鉄」があります。また鉄はさまざまな酵素等の材料にも利用されており「組織鉄」と呼ばれています。

体内の鉄が不足すると、まず貯蔵鉄が使われます。貯蔵鉄が枯渇すると組織鉄が不足して、さまざまな体調不良や精神的な不調まで引き起こします。この状態が「かくれ貧血」の状態です。さらに鉄欠乏が進行すると、血液検査でも貧血の診断がつくようになります。

「かくれ貧血」の状態では、体調不良を訴えて医療施設を受診しても、血液検査では異常を指摘されないことを知っておきましょう。

鉄欠乏性貧血になるメカニズム

では、鉄欠乏になってしまう原因とは何なのでしょうか?

女性に鉄欠乏性貧血が多い理由は、生理があるからです。食事で摂取する鉄よりも生理によって失われる鉄のほうが多い人は、鉄の収支がマイナスになってしまうのです。

鉄は食物から摂取されますが吸収が悪く、体内の鉄利用は、赤血球(寿命は約4カ月)が壊れた「ヘモグロビン鉄」のリサイクルが大半です。このリサイクルだけでは鉄が増えることはありません

リサイクルを除いた、1カ月の鉄の収支はだいたい以下のようになります。

・人間は1日に食事から約20mgの鉄を摂取
・20mgのうち体内に吸収できるのが10~20%で、汗や糞便で失う鉄を入れると、毎日「1~2mg」の鉄を貯蓄
・1日「1-2mg」 × 30日 = 1カ月に「30-60mg」の貯蓄
・生理による支出は、多い人では1回の生理で「50mg」以上

ですから生理の多い人では、容易に「鉄の収支はマイナス」また「慢性的に鉄が足りない状況」になってしまいます。

「かくれ貧血」がかなりある!

上記のとおり、生理のある女性は慢性的に鉄が欠乏した状態になりやすく、鉄欠乏による「かくれ貧血」が思いのほか多いそうです。血液検査でヘモグロビン値が「11g/dl以上」であれば、ほとんどの人は『貧血』と診断されません。しかし、以下のような症状があれば鉄欠乏の疑いがあるのです。

・頭痛、めまい、立ちくらみ
・動悸(どうき)、息切れ
・疲れやすい、倦怠感、朝がつらい
・気持ちが沈む、生理前後のいらいらが強くなった
・爪が割れやすい(二枚爪)
・髪の毛や肌のつやがなくなった
・抵抗力の低下(風邪をひきやすいなど)
・氷をかじりたくなる(氷食症)

鉄欠乏性貧血の予防法

鉄欠乏性貧血を予防するには、どのようにすればよいのでしょうか?

まず、生理のある女性は鉄欠乏状態になりやすい」ということを知っておく必要があります。体内の貯蔵鉄が減ってくると、鉄を使う酵素群がうまく働かなくなり、前記のようなさまざまな鉄欠乏症状が起こります。

生理が多い人は、食事だけでは十分な鉄が取れません。足りない人は「鉄剤」を飲んで補いましょう。鉄剤を飲むと1錠で「50-100mg」の鉄を補うことができます。

鉄には、

・ヘム鉄
・非ヘム鉄

があるのですが、「病院で処方される鉄剤」には非ヘム鉄しかありませんが、この非ヘム鉄の場合、胃に不快感が生じやすいのです。

これは、難溶性のFe3+(三価鉄)を、腸管で吸収しやすい可溶性のFe2+(二価鉄)に還元する過程でフリーラジカルが発生し、これが胃を攻撃するためです。

非ヘム鉄とビタミンCを同時に取ると、フリーラジカルの発生が減って胃腸症状が緩和されます。同時に、可溶性の鉄のFe2+が増えるために、鉄の吸収は2倍以上になります。

ヘム鉄は「レバー」など、非ヘム鉄は「ホウレンソウ」「小松菜」などに多く含まれています。食物から鉄を摂取する場合は、そういった食材を使ったメニューを意識するといいでしょう。

ただし、生理が多い人では食事だけでは補えません。ですからヘム鉄のサプリメントを1年365日、毎日10-20(mg)摂取することです。生理のある人はこの量で鉄過剰になることはありません。

注意すべき点は「継続して飲むこと」です。繰り返しになりますが、生理のある女性は慢性的に鉄欠乏状態になっていることに注意してください。鉄剤を1-3カ月内服すると症状は改善しますが、それで鉄剤を完全にやめてしまうと数カ月後には元の状態に戻ってしまいます。

血液検査の結果や自覚症状が改善しても、週に3日は鉄剤を内服するとか、生理後は10日だけ鉄剤を内服するなど、鉄剤を継続することが大切なのです。

鉄は人体にとって非常に重要です。女性は生理のために鉄が不足しがちです。めまいなど貧血の自覚症状がある人は鉄欠乏症の可能性もありますから、一度専門医を受診するのが良いかもしれません。

(松田ステンレス@dcp)

コメント

タイトルとURLをコピーしました