足が「つる」とは、ふくらはぎの筋肉が収縮してけいれんを起こすことをいいます。「こむら返り」といったりしますね。
普通は足がつるといえば、激しい運動を行っているときなどが多いのですが、時に睡眠中に足がつり、その痛みに飛び起きる、なんてことがあるそうです。運動も行っていないのに、なぜ睡眠中に足がつるのでしょうか?
筋肉が収縮する仕組み
ふくらはぎの「腓腹(ひふく)筋」が収縮してけいれんする状態を、一般に「足がつる」「こむら返り」と呼びます。
突然起こりますし、自分で伸ばすことが困難になるほど腓腹筋が収縮するので非常に痛い思いをします。この腓腹筋の意図せぬ収縮はなぜ起こるのでしょうか?
まず筋肉が伸び縮みするメカニズムです。
筋肉は筋繊維と呼ばれる細胞が束になってできています。筋繊維はその名のとおり繊維状のものですが、これもまたより細い繊維(筋原繊維)が合わさってできたものです。
つまり、筋肉とは細い糸が束になったようなものなのです。
この筋肉を動かす司令を送っているのが運動神経です。運動神経はその終端部分に神経伝達物質(アセチルコリン)を含んだたくさんの小胞を持っています。
中枢から筋肉を動かす電気信号が来ると、それを感知してカルシウムが神経細胞に流入します。このカルシウム流入がきっかけとなって先ほどの小胞から神経伝達物質(アセチルコリン)が放出されます。
アセチルコリンが筋肉の細胞膜に達すると、ナトリウムが筋細胞に流入します。これによって活動電位という電気信号が発生し、この信号が筋細胞に次々と伝わることで筋肉が収縮するのです。
2.カルシウムとナトリウムが筋肉を動かすのに重要な役割を果たしている
の2点が重要ポイントです。
足がつるメカニズムは?
では、意図しない筋肉の収縮である「足がつる」とはどのような仕組みで起こるのでしょうか?
これは、
●血行不良
●ミネラル分の不足
●水分不足
といった原因で神経伝達物質(アセチルコリン)が過剰に分泌されることで筋肉(腓腹筋)が収縮することで起こります。
例えば、足がつりやすい状況として「運動を行っているとき」が挙げられますが、
運動中は、
・「ミネラル分の不足」により電解物質のバランスが崩れやすい
と上記の要素に当てはまります。
では、なぜ睡眠中に足がつるのでしょうか? まず、眠ってる際の姿勢に原因があります。
多くの人はあお向けに寝ますが、この場合、つま先が伸びてふくらはぎが縮み、弛緩した状態になります。
普通起きているときは、ふくらはぎの腓腹筋は伸びた状態になっています。しかし、つま先が伸びるとそれが弛緩(しかん)した状態になります。この弛緩した状態は足がつりやすいのです。また、足底に圧力がかかっていないので、筋肉の緊張を調整できず、これが足がつるのを誘発しやすいのです。
また、年齢が進むに従って足がつりやすくなる、というデータがあります。加齢による筋肉の衰え、また神経伝達物質の適切な分泌ができなくなる(異常な分泌が起こる)、といった要因で起こりやすくなる、と考えられています。
足がつったら、つま先をつかんで手前にぐーっと引っ張り、腓腹筋を伸ばすようにすれば良いと習った人も多いでしょう。運動中ならいいのですが、足のつりが睡眠中に起きると、この動作をするのも大変です。
加齢とともに睡眠中に足がつる人は増加するとのこと。適度な運動をする、ストレッチを日課にするなど、普段から血行を良くするように努力しておいた方がいいでしょう。
(松田ステンレス@dcp)
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