「森林浴が体にいい」は本当か? 森林セラピーとは?

森林浴」という言葉は、現在では一般的になっています。自然豊かな森林に出掛けて、そこで過ごすと忙しい日常から離れてリラックスできます。実は、この森林浴をして癒やされようという「森林セラピー」については日本が世界に先駆けて進んでいます。

「森林浴」は日本に考え出された

そもそも「森林浴」という言葉が日本で考え出されたものであることをご存じでしょうか? 1982年に長野県上松町にある「赤沢自然休養林」で、林野庁の提唱した森林浴イベントが行われ、このときに初めて「森林浴」という言葉が使われたとされています。

ただし、当時は「森林を訪れるとリラックスできたり、癒やされた感じがする」という印象が優先で、人体に具体的にどのような影響があるかは計測されていませんでした。この後、2004年には「森林セラピー研究会」が産官学共同で発足し、「科学的な効果が証明された森林浴のことを森林セラピーと呼ぶ」と定義されました。

このように、森林浴という考え方、またその効果の実測まで、日本は世界に先駆けて行っています。現在ではアメリカ、韓国、中国、ドイツ、フィンランドなど、海外でもその効果に注目するようになっています。

計測された森林セラピーの効果

現在では「森林セラピー」は科学的な効果が証明された森林浴」とされています。人間の健康を守るための恒常性維持機構「神経系」「内分泌系」「免疫系」の3つの系それぞれで良い効果があることが分かっているのです。

●神経系
森林セラピーを行うと、副交感神経の活動が活発になります。副交感神経が活発ということは、落ち着いた、リラックスした精神状態になるということです。

●内分泌系
森林セラピーを行うと、ストレスホルモンと呼ばれる「コルチゾール」の分泌が有意に低下します。

●免疫系
森林セラピーを行うと、NK(ナチュラルキラー)細胞が有意に活性化されます。NK細胞の活性によって免疫機能が高まり、抗がん能も高まるのです。

ほかにも、

●血圧・脈拍
森林セラピーによって脈拍数や血圧が低くなり、よりリラックスした状態になることが分かっています。

●尿中アドレナリンの低下
アドレナリンは感情的興奮の下で分泌量が増加しますが、森林セラピーによってこの分泌が抑制されることが分かっています。

など、人間にどのような効果があるかが科学的に検証されています。海外でも、たとえば2011年にはフィンランドでヨーロッパ初の森林医学実験が行われたりしています。森林セラピーの効果は徐々に世界に認知されてきていると言えるでしょう。

日本人にはどこかに「人間も自然の一部」という意識があるのではないでしょうか。自然の中に出掛けると安らぐのは何か科学的な作用があるのでは?という着眼点が、非常に日本人的なものといえます。そもそも日本人だからこそ「森林浴」という言葉を思いつけたのかもしれません。

(松田ステンレス@dcp)

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